松井 今朝子 雑感
1953 年9月28日、京都祇園に生まれる。南座にほど近い環境で育ち、子供のころより歌舞伎の魅力にとりつかれる。早稲田大学大学院文学研究科演劇学修士課程修了後、松竹株式会社に入社、歌舞伎の企画・制作に携わる。松竹を退職後フリーとなり、故・武智鉄二に師事して、歌舞伎の脚色・演出・評論などを手がけるようになる。
97 年、『東洲しゃらくさし』で小説家としてデビュー。
同年に、『仲蔵狂乱』で第8回時代小説大賞を受賞。
以上は、「松井今朝子ホームページ」からの引用です。
『幕末あどれさん』、『奴の小万と呼ばれた女』『一の富――並木拍子郎種取帳』とそれぞれ第20、22、23回の吉川英治文学新人賞候補になっています。
また、『非道、行ずべからず』、『似せ者』で第128と第127回の回の直木三十五賞候補になり、そして『吉原手引草』で第137回直木三十五賞を受賞されています。
その略歴からもわかるように、歌舞伎に対する造詣は深く、その知識を生かした作品を多数発表されていますが、直木賞での選考委員の言葉を見てみると、その知識が消化不良を起こし邪魔をしている、という趣旨の寸評が見られます。それは吉川英治文学新人賞での評価も同様です。
作家としての資質は早くから評価されていたようで、ただ、豊富な知識の処理、がネックになられていたのでしょうか。それがうまく処理されてきたのが『吉原手引草』だとして直木賞を受賞されたのでしょう。
未だ二冊しか読んでいないのでこの作家さんに対する感想も書けないのですが、二冊ともにかなり面白く読んだので、他の作品も追いかけてみたいと思います。
[投稿日] 2015年08月16日 [最終更新日] 2015年8月16日