近藤 史恵 雑感
1969(昭和44)年大阪府生れ。大阪芸術大学文芸学科卒。
1993年『凍える島』で第4回鮎川哲也賞を受賞し、デビューする
2008年、『サクリファイス』で第10回大藪春彦賞受賞。
女流ミステリ作家として「複雑な女性心理を描く細やかな筆致に定評があり、『ねむりねずみ』『桜姫』『二人道成寺』など、歌舞伎を題材にしたシリーズで知られる。」とは、WEB本の雑誌の「作家の読書道」にあった文章です。大学時代、歌舞伎の研究をしていたそうで、私が読んだ『猿若町捕物帳シリーズ』の二冊はこの系統に属することになります。
ほかに『南方署強行犯係シリーズ』のようなユーモアミステリー(らしい)も書かれています。また、『サクリファイス』シリーズは自転車競技をテーマにしたミステリーで、時代小説での近藤史恵という作家の顔とはまた違った側面を垣間見ることができます。このシリーズは単にミステリーとしてだけではなく、スポーツ小説としても、また青春小説としても非常に面白い作品となっています。
近藤史恵という作家のケレン味の無い文章はとても読みやすく、豊富な歌舞伎の知識を生かした作品群とスポーツ小説、更にはユーモアミステリーとさまざまな顔をもった作家だと言えるでしょう。
[投稿日] 2015年08月14日 [最終更新日] 2016年2月24日