廣瀬 俊朗

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リーダーがすべきことは何か、真のリーダーシップとは何か―高校、大学、社会人、そして日本代表の主将を務めた著者が明かすチームをひとつにまとめる秘訣とは。エディージャパンの4年間、さらにはW杯での躍進の裏側まですべてを書いた一冊!(「BOOK」データベースより)

 

本書は、ラグビー日本代表キャプテンであった廣瀬俊朗氏が、そのキャプテンシー、つまりはリーダーシップについての思いを書いた作品です。

 

日本で開催されているラグビーワールドカップ2019での日本代表の成績はというと、本稿を書いている時点(2019年10月19日)で決勝トーナメント出場が決まっています。

ロシア、アイルランド、サモア、スコットランドと強豪チームを打ち破っての決勝進出です。皆さんがいろんなところで言っているように、全く信じられないことで、歓喜に打ち震えている我が家です。

 

そんな日本代表の快進撃も、もとはラグビーワールドカップ2015の南アフリカ戦での勝利から始まったものでした。その時に日本代表チームのキャプテンをまかされていたのが本書の著者廣瀬俊朗氏です。

慶応大学や東芝ブレイブルーパス、そして日本代表ラグビーチームのキャプテンと、常にラグビーというスポーツの中心にいて、プレーは勿論、そのたぐいまれなるキャプテンシーを発揮してきた人物です。

そんな廣瀬俊朗氏のキャプテンとしての心構え、信条を余すところなく述べたのが本書であり、行ってみれば彼の名言集の集大成ともいうべき本に仕上がっています。

 

ところで、先日テレビを見ていたらとある番組で元大阪府知事だった弁護士の橋下徹氏が若者に対して「燃焼」という言葉を述べていました。

自分の人生の時々において「燃焼」してきたと断言できるのであれば、その人は十分な人生だと言えるのではないかというのです。

私はこの橋本徹という人物は決して認めるわけではないのですが、この人のこの言葉だけは異論がありません。「燃焼」してきたとは言えない自分には非常に刺さる言葉でした。

ちなみに、この橋本徹を言う人物も高校時代には日本選抜に選ばれているラガーマンです。

 

本書の廣瀬俊朗氏の言葉も同様なことが言えます。

この人の努力は半端なものではありません。いずれの時代でもキャプテンを任された以上はそのキャプテンとしてチームをまとめていくために必要なことを考え、それを実行し、仲間との意思疎通をはかり、それをまとめ上げていっています。

2015年のラグビーワールドカップのときは結局試合には一試合も出ることはかなわなかったのですが、それでもなお悔しさを押し隠し、裏方としてチームのために尽くしたと言います。

 

この人の名は大学時代からラグビーの試合を見るとしょっちゅう聞いていましたので知ってはいました。

ところが、先般放映された池井戸潤の『ノーサイド・ゲーム』という作品を原作とするという同名のタイトルを有するドラマで結構重要な役で出演しているではありませんか。

驚きました。その後人気を博した廣瀬俊朗氏はラグビーの解説などで頻繁にテレビで見ることになります。

 

本書を読み、自分の人生と比してあまりの違いに打ちのめされたものです。人生の結果ではなく、人生に対する人としての態度の違いです。

肝心なところで安易な道に流れ、易きを選択してきた自分との差はあまりに異なるものでした。ほとんどの人は同じ感想をを抱くのではないでしょうか。

どうしても人は楽な道を選びます。その結果、人を羨み、自分の運の悪さを嘆くことになります。

 

本書で生きている廣瀬俊朗氏は常に挑戦の人生を歩んでいます。困難に挑戦し、それを克服し自らの糧として人間的にも大きく成長しています。

「逃げたら、同じ壁」だと彼は言います。「大事なのは、同じ失敗を繰り返さないことである。」とも言っています。

廣瀬俊朗氏が素晴らしいところは、こうした言葉を実践してきていることです。自ら挑戦し、それを乗り越えた上でこれらの言葉を発しているのです。

私はこうした本をあまり読みません。しかし、ラグビーに関して第一線で実績を残してきた人の言葉は重みがあります。

決してうまい文章ではありません。でも、これからの若い人にぜひ読んでもらいたい本です。

 

ラグビーをテーマにした小説に関しては下記コラムにも書いています。

 

良かったら参照してみてください。

[投稿日]2019年10月19日  [最終更新日]2019年10月20日

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