アイザック・アシモフ

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“黒後家蜘蛛の会”の会員―弁護士、暗号専門家、作家、化学者、画家、数学者の六人、それに給仕一名は、月一回“ミラノ・レストラン”で晩餐会を開いていた。食後の話題には毎回不思議な謎が提出され、会員が素人探偵ぶりを発揮する。ところが最後に真相を言い当てるのは、常に給仕のヘンリーだった!SF界の巨匠が著した、安楽椅子探偵の歴史に燦然と輝く連作推理短編集。(「BOOK」データベースより)

 

アシモフが描き出す上質のミステリーを収めた文庫本で全五巻の短編小説集です。

 

化学者、数学者、弁護士などのその道の専門家が月に一度集まり食事をし、語りあう集まりがありました。その話の中に「謎」が含まれるのが常であり、その謎について皆で語るのですがなかなか結論が出ません。その時、給仕をしながら話を聞いていたヘンリーが謎を解決するのです。

 

確か私が三十歳になる前の頃にこのシリーズを読んだと思うのですが、その頃でさえ少々古臭い感じがしたものです。でもそれは登場人物の造形であったり、集まる店の雰囲気であったりと、謎解きそのものではありませんでした。

もともと謎解き自体にはあまり興味を持てない私ですが、この作品はそうした古さを感じながらも殆どの作品を読み終えたものです。

 

SF臭は全くありません。ただ、今の推理小説の謎解きとは少々趣が異なります。どこかのレビューで「パズル」と書いてありましたが、まさにパズルの感覚だと思います。

殺人事件が起きるわけでも、何か異常な出来事が起きるわけでもありません。日常の生活の中でのちょっとした謎、その謎がまた面白いのです。

そうしたパズル的作品がお好みの方には是非おすすめの一冊です。

[投稿日]2015年03月28日  [最終更新日]2019年2月2日
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