「ファウンデーション」とは、天才数学者ハリ・セルダンが「心理歴史学者」として現帝国の崩壊を見通した末に設立した、新しい宇宙帝国を建設するのための布石となるべき組織のことです。
「組織」とはいってもそれは「国家」と言い換えても良いもので、心理面を追求する「第二ファウンデーション」の存在も明らかになります。
基本的に中・短編で構成されている作品群です。ですから物語を通した固定の主人公というものはいません。強いて言えば「ファウンデーション」という社会自体が主人公ということになります。ハリ・セルダンがホログラムなどの形で随所に出てきますが、言わば預言者的存在ですので主人公とは言えないでしょう。
下掲の「6.ファウンデーションへの序曲」「7.ファウンデーションの誕生」は「1.ファウンデーション」の前日譚ですので、時系列としては「6」「7」「1」「2」・・・の順番になります。
出版順で読むか、時系列に合わせて読むかは好みでしょうが、作者の文章力や雰囲気の変化、全体的な構想の問題もありますので個人的には出版順の方がいいかとは思います。
アシモフの死後、現代SF界の大物と言っても良い三人によって、「新銀河帝国興亡史」としてシリーズが書き継がれています。
私はまだ読んでいませんが、この三人は夫々に重厚感のある読み応えの作品を書く作家なので、アシモフ以外の人の手による本シリーズはまた違った趣のある作品に仕上がっていることは間違いないでしょう。
ファウンデーションシリーズ
- ファウンデーション
- ファウンデーション対帝国
- 第二ファウンデーション
- ファウンデーションの彼方へ
- ファウンデーションと地球
- ファウンデーションへの序曲
- ファウンデーションの誕生
新銀河帝国興亡史(括弧内は作者)
- ファウンデーションの危機(グレゴリイ・ベンフォード)
- ファウンデーションと混沌(グレッグ・ベア)
- ファウンデーションの勝利(デイヴィッド・ブリン)