城山 三郎

イラスト1
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文庫

角川書店

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消費者のために出来るだけ安い薬を提供したいという思いで、主人公谷口は安い薬の仕入れ先を探すが、メーカーは問屋への締め付けなど、谷口への卸行為を妨害する行為に出る。このため谷口は近県で断られると、更に遠くへと安い薬の仕入れ先を求めていかざるを得なかった。「問屋、薬局への適正な利潤の確保がひいては消費者への薬の安定供給にも役立つ」というメーカーの論理にも、商人が自分の商品に適正な価格をつけているだけ、と自分の主張をつら抜き通す谷口。そうした谷口への消費者の支持を背景に、谷口は食糧品や家電製品にも手を伸ばし、総合スーパーへと成長を遂げるのだった。

寡占販売を目論む巨大メーカーと主人公谷口との戦いは、読み手の心をつかんで離しません。一種の痛快ヒーロー小説的な面白さもあります。それでいて経済の基本である物流の基本的な仕組みまで描いてあります。勿論、現実の経済活動はこんなものではないという声も聞こえてきそうですが。

それでも、消費者のために出来るだけ安い商品を、という主人公の思い、そしてその思いに基づく価格破壊の行動は小気味良く、今でも一気に読める本ではないでしょうか

先日、ダイエーの名称が完全に消えるとのニュースがありました。イオンに完全に吸収されてしまうことになります。何となく、時代の移り変わりを思い知らされたニュースでした。

[投稿日]2015年04月12日  [最終更新日]2015年4月12日
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