ゲート 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えりシリーズ(2020年05月01日現在)
- 接触編
- 炎龍編
- 動乱編
- 総撃編
- 冥門編
ゲートSeason2 自衛隊 彼の海にて、斯く戦えり(2020年05月01日現在)
- 抜錨編
- 謀濤編
- 熱走編
- 漲望編
ゲート 外伝(2020年05月01日現在)
- 外伝 南海漂流編
- 外伝弐 黒神の大祭典編
- 外伝参 黄昏の竜騎士伝説編
- 外伝四 白銀の晶姫編
- 外伝+ 特地迷宮攻略編
二〇××年、突如として東京銀座に「異世界への門」が開かれた。その中から侵攻してきたのは「異世界」の軍勢や怪異達。陸上自衛隊はこれを撃退し、門の向こう側『特地』へと足を踏み入れる。およそ自衛官らしくないオタク自衛官、伊丹耀司二等陸尉(33)は、部下を率いて『特地』にある村落を偵察することに―そこには金髪エルフやゴスロリ神官など、夢にまで見た美少女達の姿が!?超人気の自衛隊×異世界ファンタジー、文庫化第一弾・前編。(「BOOK」データベースより)
巨大災龍撃退に続き、『特地』の都市・イタリカ防衛戦でも快勝した陸上自衛隊。ところがその頃、日本では自衛隊の活動に対する野党の追及が激しさを増していた。そしてついに、自衛官である伊丹、さらには『特地』の住人を参考人として国会に招致することが決定される。初めて門を越えた異世界の美少女達は、日本の文明に大はしゃぎ!しかし、そんな彼女達を狙う謎の影が―!?超人気の自衛隊×異世界ファンタジー、文庫化第1弾・後編。(「BOOK」データベースより)
なかなかに読みがいのある、長編のファンタジー小説です。
あまり期待せずに読んでみたのですが、思いのほかに骨格がしっかりとしていて、十分以上に読むに耐える物語で、掘り出しものでした。
魔法が幅を利かせ、龍が空を舞い、甲冑の騎士が戦場で争う世界、そこに日本の自衛隊が紛れ込む設定は、まさにファンタジーの王道です。
自衛隊の異世界での活躍といえばまずは半村良の名作『戦国自衛隊』がありますが、あちらは過去の日本へのタイムスリップ。本作品は全くの異世界への混入と状況は異なります。
そして、自衛隊という組織や自衛隊員の所持する武器など、その実態を知らない読者も納得させるだけの(多分正確な)知識及び知識量を持って描写してあります。
更に言えば「特地」(本書で舞台となる異世界)の社会自体の構造まで世界観が破綻せずに描いてあるので、安心して読み進めます。
主人公の伊丹耀司が漫画オタクという設定も現代的ですし、その危機回避能力や戦闘能力の高さなどもそれなりに理屈付けをしてあったりと、細かなところまで世界観の構築がきちんとできているので好みにはまりました。
現時点で一応の完結を見ていますが、外伝として書き続けられています。
ただ現代の「萌え」系の物語らしく、美少女系のキャラクターが重要な登場人物として活躍したりもしますので、そうしたキャラも許せる人でないと読み続けるのは難しいでしょう。
また、少々のおちゃらけも許せない人も無理でしょうね。