井川 香四郎

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文庫

光文社


両替商の主人が、後ろ手に縛られ、心の臓を一突きにされて殺された。その残忍な手口は、一年前の庖丁鍛冶職人・房蔵殺しと同じだった。“くらがり同心”こと永尋書留役の角野忠兵衛が房蔵殺しを洗い直すと、思いもよらぬ真実が…(表題作)。くらがりに落ちた事件に明かりをあて、男と女、親と子の哀しい想いをも救い出す窓際同心の活躍を描く、精選シリーズ第二弾!(「BOOK」データベースより)

 


 

くらがりに落ちた未解決事件の調査が主な職務の同心角野忠兵衛の活躍を描く連作の短編時代小説集です。

 

第一話 神様のあやまち
地蔵堀近くの一膳飯屋の亭主五郎蔵のもとで、弟子入り希望の若者の寛平が居座っていた。寛平は甚兵衛という元の闇の元締めの爺さんから話を聞いて、五郎蔵のかつての泥棒稼業の弟子になりたがっていたのだった。そこに、材木の値崩れをたくらむ木曽屋の思惑まで絡む話になっています。

第二話 夏の夕虹
忠兵衛は、付け火と思われる火事の現場で、一人の宿場観音と呼ばれる女を助けた。女はお栄といい、材木の値上がりで一人儲けている材木問屋の木曽屋を見張る忠兵衛の目の前に現れ、番頭に「人殺し」と呼ばれ追い払われるのを見るのだった。

第三話 女は待っている
六年前の冬、忠兵衛は一軒の両替商が全焼する現場から二両の金を握って逃げ出してきた佐平治という男を捉えた。今回、その島送りになった男が御赦免になり江戸へと帰ってきたという。一方、忠兵衛は何者かに憾みがあると付け狙われるのだった。
佐平治のかみさんのお糸と息子の正太とをかくまっていた忠兵衛は、焼けた両替商の裏に隠された謎を突き止めるのだった。

第四話 縁切り橋
一年前に殺された鍛冶職人の房蔵殺しの犯人を捜してほしいと、房蔵の娘のくにという娘が切餅小判を持ってきた。酒井一楽は文治という男を犯人と目星を附けていたが、文治にはその時刻ともにいたという許嫁がいたのだった。しかし、そこには思いもよらない隠された秘密があった。
鍛冶職人殺しの犯人は庄平という宿なしの老人で、おくにの実の父親だった。おくにに手を出そうとした房蔵を発作的に殺してしまったのだった。

 

始めてこの作者の作品を読んだのですが、何となくピンときません。

私にとって、琴線に触れるものがありません。

ストーリーが一時間物のテレビドラマのようで、奥行きを感じないのです。当該場面の情景描写も、描かれている心象風景もいかにもとってつけたようで説明的であり、心に響くものがありませんでした。

しかしながら、本シリーズも文庫本で全十四巻のシリーズとして出ており、更にその中から著者自身が精選した精選シリーズとして文庫本で全八巻のシリーズが出ています。

本来十四巻も出版されていて、更に八巻の精選版が出るということはそれなりの人気シリーズだったはずです。

しかしながら、私が読んだのはこの精選版の第二巻がどうにも説明的にしか感じられず、他の作品を読もうかどうか迷うところです。

[投稿日]2019年07月22日  [最終更新日]2019年7月22日
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