『武蔵シリーズ』とは
作者の花村萬月がこれまでの武蔵とは全く異なる武蔵像を描く、青春時代小説ともいうべきシリーズ作品です。
これまでの武蔵といえば、吉川英治の描く『宮本武蔵』(新潮文庫 全八巻)の中の武蔵像でしたが、本シリーズではそれとは異なる自由奔放な武蔵が描かれています。
『武蔵シリーズ』の作品
『武蔵シリーズ』について
これまでの宮本武蔵像とは全く異なる「武蔵」です。「武蔵」というタイトルでなければ、単純に花村萬月という作家の時代小説作品と思うしかないでしょう。
つまりは、花村萬月という作家が全く新しく創造した”武蔵”なのです。
だからというわけでもないのですが、この武蔵も内省的ではあります。自分の内に満ちるエネルギーが大きく、その発露として女を抱き、暴力に走ります。
その力が常人を上回るという設定の結果、強い武蔵ができ上り、その点で他の武蔵像と一緒になると思われます。
この武蔵の行動が面白いのです。痛快娯楽小説として楽しく読むことが出来ます。
それでいて、主人公の内省は勿論読み手にもそれなりの考察を強いてきて、それが嫌だという人もいるかもしれません。
でも、その点を無視して単純に読み進めることもできそうです。
そうした意味も込めて、この物語は読み手を選びそうです。2019年03月現在で六巻目までが出ています。
『宮本武蔵』と言えば吉川英治の描く『宮本武蔵』(新潮文庫 全八巻)です。
現在の宮本武蔵像は、この作品で作られたものだと言えますが、本書の武蔵像は吉川武蔵とは全く異なる自由闊達な、それでいて内省的でもある武蔵像であり、それなりに惹かれる存在でもあります。
まずは読んでみるしかないと思います。
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