花村 萬月

武蔵

イラスト1
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内にたぎる力を持て余している11歳の弁之助は、神官の娘美禰との薙刀での稽古で叩き伏せられる。その後、義姉のおぎんにより性の目覚めの導きをうけた弁之助は美禰とも契りを交わす。その後、然茂ノ介という豪族の息子と知り合い、山賊退治へと出かけることとなった。

今までの武蔵像とはまったく異なる物語です。

とにかく前に読んだこの作家の「よろづ情ノ字薬種控」と同じく濡れ場が多いのです。強烈な性の目覚めが、繰り返し描かれます。何より、こんなに女にもてて、自らの性の衝動に身を任せる武蔵は初めてです。勿論未だ子供なのだけど既に大人顔負けの女たらしです。

命に満ち溢れ、剣の才にもあふれているために、自分自身を持て余しているのでしょう。武蔵の本家とも言うべき吉川英治の描く「宮本武蔵」像とは、全く異なる”武蔵”です。

ちなみに、漫画ですが「バガボンド」の武蔵も、それまでの武蔵像とは全く異なるものでしたが、ストイックさという面では従来の武蔵像と変わらない、と言ってもいいでしょう。

本書の武蔵も、武蔵を描いた他の作品と同様に、これから佐々木小次郎などのライバル達との出会いもあることでしょう。まだまだ子供の武蔵がこれからどのような成長を遂げていくのか、今までのストイックな武蔵像に近づいていくのか、それとも更に破天荒な武蔵像が出来上がるのか、今後の展開が楽しみな一冊です。

[投稿日]2015年04月16日  [最終更新日]2015年4月16日
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