『雄町哲郎シリーズ』とは
本『雄町哲郎シリーズ』は、京都の町中にある民間の病院を舞台にした医療小説です。
私が今最も好きな作家の一人である夏川草介の、あらためて「人間の生」を見つめなおす感動的なシリーズ作品です。
『雄町哲郎シリーズ』の作品
『雄町哲郎シリーズ』について
本『雄町哲郎シリーズ』の主人公は、原田病院という民間病院で働く雄町哲郎という内科医です。
洛都大学附属病院で将来を嘱望された医師でしたが、妹の美山奈々が亡くなり、その子の美山龍之介を育てる必要もあって大学病院をやめ、原田病院に就職したものです。
そのために、哲郎の二年先輩である洛都大学附属病院消化器内科准教授である花垣辰雄は、いまでも何かと哲郎の腕を頼りにし、また支援もしています。
消化器内科医の南茉莉を研修医として哲郎のもとへ送り込んでいるのもその一環だと考えられます。
反面、将来を嘱望されていただけに、洛都大学附属病院の飛良泉寅彦教授の逆鱗に触れています。
哲郎が勤務する原田病院は、消化器疾患を専門科とする四十八床の小規模病棟を持った京都の町中にある民間病院です。
理事長の原田百三は七十近い年齢であり管理業務を主にしています。また、病院長は鍋島治であり、この人は五十代半ばの外科医もあります。
ほかに鍋島医師の後輩であり、原田病院唯一の女性医師で外科医の中将亜矢、総合内科医の秋鹿淳之介がおり、そして本書の主人公である消化器内科医の雄町哲郎の三人がいます。
このシリーズは、「スピノザ」や「エピクロス」という高名な哲学者の名前を冠している各作品のタイトルからもわかるように、人として哲学を持った生き方をすることを前面に押し出しています。
夏川草介という作家には別に『神様のカルテシリーズ』というベストセラーシリーズがありますが、本『雄町哲郎シリーズ』も『神様のカルテシリーズ』に劣らないほどの人気を博すシリーズになることでしょう。