夏川 草介

イラスト1

雄町哲郎シリーズ』とは

本『雄町哲郎シリーズ』は、京都の町中にある民間の病院を舞台にした医療小説です。

私が今最も好きな作家の一人である夏川草介の、あらためて「人間の生」を見つめなおす感動的なシリーズ作品です。

雄町哲郎シリーズ』の作品

雄町哲郎シリーズ(2025年12月01日現在)

  1. スピノザの診察室
  2. エピクロスの処方箋

雄町哲郎シリーズ』について

本『雄町哲郎シリーズ』の主人公は、原田病院という民間病院で働く雄町哲郎という内科医です。

洛都大学附属病院で将来を嘱望された医師でしたが、妹の美山奈々が亡くなり、その子の美山龍之介を育てる必要もあって大学病院をやめ、原田病院に就職したものです。

そのために、哲郎の二年先輩である洛都大学附属病院消化器内科准教授である花垣辰雄は、いまでも何かと哲郎の腕を頼りにし、また支援もしています。

消化器内科医の南茉莉を研修医として哲郎のもとへ送り込んでいるのもその一環だと考えられます。

反面、将来を嘱望されていただけに、洛都大学附属病院の飛良泉寅彦教授の逆鱗に触れています。

 

哲郎が勤務する原田病院は、消化器疾患を専門科とする四十八床の小規模病棟を持った京都の町中にある民間病院です。

理事長の原田百三は七十近い年齢であり管理業務を主にしています。また、病院長は鍋島治であり、この人は五十代半ばの外科医もあります。

ほかに鍋島医師の後輩であり、原田病院唯一の女性医師で外科医の中将亜矢、総合内科医の秋鹿淳之介がおり、そして本書の主人公である消化器内科医の雄町哲郎の三人がいます。

 

このシリーズは、「スピノザ」や「エピクロス」という高名な哲学者の名前を冠している各作品のタイトルからもわかるように、人として哲学を持った生き方をすることを前面に押し出しています。

夏川草介という作家には別に『神様のカルテシリーズ』というベストセラーシリーズがありますが、本『雄町哲郎シリーズ』も『神様のカルテシリーズ』に劣らないほどの人気を博すシリーズになることでしょう。

[投稿日]2025年12月01日  [最終更新日]2025年12月1日

おすすめの小説

おすすめの医療小説

泣くな研修医シリーズ ( 中山祐次郎 )
本書『泣くな研修医』は、新刊書で270頁の、現役の外科医が描き出した長編の青春医療小説です。現場を知る現役の医師ならではの、医療の現場の新米医師の姿を描いた真実味にあふれる感動的な物語でした。
ヴァイタル・サイン ( 南杏子 )
『ヴァイタル・サイン』は、看護師を主人公とした医療小説で、新刊書で362頁の長編小説です。医療の現場、それも看護師の過酷な業務の実態をリアルに描き出した作品で、私の好みとは異なる作品でした。
悪医 ( 久坂部 羊 )
もう治療法がなく、心残りの内容に生きたほうがいいという医師、それに対しできる限りの治療を望む患者、その両方の視点による主張を展開し、「悪医」とは何かを問う、日本医療小説大賞を受賞した、長編の医療小説です。
閉鎖病棟 ( 帚木蓬生 )
ある精神科病棟を舞台に、そこに入院している患者たちの日常を描いて山本周五郎賞を受賞した長編の感動作品です。精神病院に入院している患者の生活を描くことで、人間としての存在、その尊厳などについて改めて考えさせられる作品です。
孤高のメス―外科医当麻鉄彦 ( 大鐘稔彦 )
肝臓移植の問題をテーマにした文庫本で全六巻という長編の医療小説です。当麻鉄彦は、大学病院を飛び出したアウトサイダーの医師。国内外で腕を磨き一流の外科医となった彼は、琵琶湖のほとりの民間病院で難手術に挑み患者達の命を救っていく。

関連リンク

スピノザの診察室|書籍情報 - 水鈴社
現役医師として命と向き合い続けた著者が到達した、「人の幸せ」とは。累計340万部のベストセラー『神様のカルテ』シリーズを凌駕する、新たな傑作の誕生!
エピクロスの処方箋|書籍情報 - 水鈴社
「医療では、人は救えないんだよ」 現役医師が描く、人の命と幸福について。2024年本屋大賞第四位&京都本大賞受賞、映画化決定の感動作 『スピノザの診察室』続編...
夏川草介『スピノザの診察室』刊行記念インタビュー
長野県で地域医療に従事する現役の内科医であり、シリーズ累計340万部突破のベストセラー『神様のカルテ』を代表作に持つ小説家、夏川草介。最新作『スピノザの診察室』...
夏川草介『エピクロスの処方箋』刊行記念インタビュー
「神様のカルテ」シリーズを代表作に持つ作家・夏川草介が、現役医師である自身の経験を活かした『スピノザの診察室』(水鈴社)を発表したのは2023年10月だった。
『スピノザの診察室』夏川草介 | 単行本 - 文藝春秋 - 本の話
現役医師として命と向き合い続けた著者が到達した、「人の幸せ」とは。累計340万部突破のベストセラーシリーズ『神様のカルテ』を凌駕する、新たな傑作の誕生!その医師...
『神様のカルテ』に次ぐ新たな代表作にーー夏川草介が『スピノザの診察室』で描いた命の在り方
累計発行部数340万部のベストセラー小説『神様のカルテ』シリーズで知られる作家・夏川草介が、新作『スピノザの診察室』(水鈴社)を10月27日に上梓した。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です