竜馬がゆく テレビ東京ドラマ

歌舞伎役者の枠を越えて、役者としての幅を広げる市川染五郎が主演、司馬遼太郎の同名小説を原作にしたテレビ東京40周年記念ドラマの4枚組DVD-BOX。幕末日本の風雲児として名高い“坂本竜馬”の偉大なる功績、苦悩に満ちた波瀾万丈の生涯を描く。(「キネマ旬報社」データベースより)

 

私はみていませんが、2004年1月2日にテレビ東京の新春ワイド時代劇で放送されたものです。

第一部 出発、第二部 脱藩、第三部 襲撃、第四部 希望の、全4部です。

竜馬がゆく TBSドラマ

豪華キャストで贈るTBS大型時代劇シリーズ「竜馬がゆく」を収録。幕末に命を賭けた男たちの姿を描く。出演は上川隆也、沢口靖子ほか。(「Oricon」データベースより)

 

私は見ていませんが、1997年1月1日にTBSテレビの大型時代劇スペシャルで放映されたものです。

竜馬がゆく テレビ東京ワイドドラマ

司馬遼太郎原作の名作小説を壮大なスケールと豪華キャストでドラマ化!幕末の動乱期を駆け抜けた風雲児・坂本龍馬の生涯を描いた時代劇巨編。萬屋錦之介、若林豪ほか出演。全13話を収録したDVD-BOX。(「キネマ旬報社」データベースより)

 

1982年にテレビ東京の12時間超ワイドドラマで放映されたもの。未見です。

錦之介といえば、私等の年代では織田信長、宮本武蔵あたりを思い出すのではないでしょうか

竜馬がゆく NHK大河ドラマ

長い歴史を持つ大河ドラマの名作をピックアップして贈るDVD第4巻は、幕末の英雄・坂本竜馬の波乱の生涯を描いた「竜馬がゆく」。竜馬が脱藩という一大決心をする第16話「竜馬がゆく」を収録する。NHKの懐かしの番組を集めたDVDシリーズ第2弾。(「キネマ旬報社」データベースより)

 

個人的には北大路欣也の竜馬も結構好きだったのですが、レビューでの評判は今一つの用で、また実際、当時の視聴率もそんなには良く無かったようです。

龍馬伝 NHK大河ドラマ

福山雅治主演のNHK大河ドラマ『龍馬伝』のBOX第1弾。天保14年、高知城下。上士と下士の厳しい階級制度がある土佐藩で育った9歳の坂本龍馬は、ふとしたことから上士の少年を怒らせてしまう。第1話「上士と下士」から第13話「さらば土佐よ」までを収録。((season1) [DVD] : 「キネマ旬報社」データベースより)

 

season1からseason4まで、全四巻のDVDで構成させれています。

この大河ドラマは配役の若干の違和感を除けば十分に楽しめた作品でした。個人的には近年では一番の評価です。

坂の上の雲 NHKドラマ

司馬遼太郎原作、本木雅弘主演によるNHKドラマ第1部のBOX。明治時代を背景に、四国・伊予松山で貧しいながらものびのびと育った青年・真之が、彼を取り囲む兄弟や友人たちと共にする苦悩と成長、希望を壮大に描き出す。第1話から第5話を収録。(「キネマ旬報社」データベースより)

 

大河ドラマとは別枠で、2009年から2011年まで3年間にわたり各年の末に放映されました。さすがNHKらしくと言って良いのか、良質のドラマでした。このようなドラマであるならばいつでも見たいと思います。

国盗り物語

世は戦国の初頭。松波庄九郎は妙覚寺で「智恵第一の法蓮房」と呼ばれたが、発心して還俗した。京の油商奈良屋の莫大な身代を乗っ取り、精力的かつ緻密な踏査によって、美濃ノ国を“国盗り”の拠点と定めた!戦国の革命児斎藤道三が、一介の牢人から美濃国守土岐頼芸の腹心として寵遇されるまでの若き日の策謀と活躍を、独自の史観と人間洞察によって描いた壮大な歴史物語の緒編(「BOOK」データベースより)

 

戦国時代、斎藤道三から織田信長、明智光秀という武将を中心とした国取りの物語が描かれた長編の歴史小説です。文庫本では第1、2巻で斎藤道三を、第3、4巻で織田信長を中心とした戦国武将のあり方が生き生きと描かれています。

 

戦国武将の物語は数多くあるのですが、斎藤道三という人物を正面から描いた小説はあまり無く、他に数人の方が書かれているだけのようです。

それまでは蝮の道三としてあまり良い印象は無かったのですが、この本ではかなり高い評価をしてあり、それ以後斎藤道三を見る目が変わりました。

 

また、それまで織田信長はそれなりには知っていても、道三については殆ど知らなかったのですが、この本で信長との交流を知ったものです。

こうした戦国期における各武将たちの思惑等、勿論フィクションではありますが、歴史と言うものが、単に歴史の表面に出てくる事実だけではなく、生きた人間の営みの積み重ねであることを考えさせられたことを覚えています。

 

司馬遼太郎の項の「雑感」にも書いたように、この本に続いて豊臣秀吉から徳川家康へという権力の推移のあり様を「新史太閤記」から「覇王の家」へという著作で著していくことになります。

中国の三国志を読みながら、これは司馬遼太郎の「国盗り物語」からの一連の流れと結局は同じ国取りの物語だと思ったものです。

竜馬がゆく

勿論、坂本竜馬という魅力的な人物像が中心にあってのことではありますが、幕末の青春群像をこれほどまでに濃密な空気感の中で描写した作品を他には知りません。

坂本竜馬といえばこの作品が作り上げた竜馬像であることは周知の事実ではありますが、それにしても見事な造形だと思います。

物語の途中に歴史的な事実を物語の背景紹介として語りかけ、読者をより深く舞台となる時代に引きずり込み、感情移入しやすくしているようです。

勝海舟、西郷隆盛、大久保利通、桂小五郎、高杉晋作等々歴史で学んできた人物達がこの作者の筆の力で血肉を得て活躍するのです。一度すれば虜になること間違いありません。

ちなみに、この作品もNHKの大河ドラマで福山雅治の竜馬で放映されましたが、それ以前に1968年にもNHKの大河ドラマで北大路欣也の竜馬で既にドラマ化されていました。

蛇足ですが私はこの時の岡田以蔵役を萩原健一が演じていたと思っていました。しかし、それは間違いで、同じ大河ドラマでも1974年の「勝海舟」の中での以蔵が萩原健一だったようです。この時の萩原健一は素晴らしかった。

坂の上の雲

明治維新をとげ、近代国家の仲間入りをした日本は、息せき切って先進国に追いつこうとしていた。この時期を生きた四国松山出身の三人の男達―日露戦争においてコサック騎兵を破った秋山好古、日本海海戦の参謀秋山真之兄弟と文学の世界に巨大な足跡を遺した正岡子規を中心に、昂揚の時代・明治の群像を描く長篇小説全八冊。(「BOOK」データベースより)

 

明治維新後の日本を、軍人と文人との二つの世界を通して描き出した文庫本で全八巻という長編の歴史小説。

 

もう40年近くも前になりますが、防衛大学校に進学した友人から勧められ読んだのが最初でした。『竜馬が行く』が司馬作品の最高峰と思っていたのですが、この作品を読んで変わりました。

 

 

先年NHKでドラマ化されたのでより一般的になったかと思うのですが、秋山兄弟と正岡子規を中心に据えた、日露戦争に至る日本を描いたこの作品は衝撃的でした。

 

 

膨大な資料を駆使し、ロシア革命から203高地、日本海海戦に至るまでの学校では習わない歴史をドラマとして見せてくれました。

特に乃木希典を文人としては評価するけれども、軍人としては否定的に描写するなど、それまとは全く異なる歴史観での描写は新鮮でした。前述の防大の友人など、この乃木希典の描写が瑕瑾だと言っていたものです。

竜馬が行く』でもそうだったのですが、明治期における青年たちの躍動的な姿は、それがごく一部の軍人としての立場であったものだとしても、自らを省みて考えさせられたものです。

大河小説ですが、『竜馬が行く』と共に、時代の流れを如実に感じることのできる名作だと思います。

 

ただこの作品について少々調べてみると、司馬遼太郎本人のこの作品はフィクションではないという趣旨の発言故にか、歴史的事実と異なる等の批判が少なからずあるようです。

しかし、一読者としてはあくまで小説であり、フィクションとして見た場合のこの本の偉大さは何ら変わりがないものと思っています。