ダーク・タワー [ DVD ]

ニューヨーク。
少年ジェイクは毎夜同じ夢にうなされていた。
“巨大なタワー”“拳銃使いの戦士”そして“魔術を操る黒衣の男”…ある日、ジェイクは現実世界と夢で見た≪中間世界≫と呼ばれる異界が時空を超えて繋がっている場所を発見する。
中間世界に導かれたジェイクは、そこで拳銃使い<ガンスリンガー>に出会う。
彼は2つの世界のバランスを保つ塔=ダークタワーを守る最後の戦士であり、タワーの破壊を目論む<黒衣の男>を倒すため旅を続けていた。
一方、ジェイクが特殊な能力を秘めた存在であることに気づいた黒衣の男は、その強大なパワーを求め、ジェイクたちの前に立ちはだかる。
いま、ガンスリンガーと黒衣の男が相まみえる! !( Amazon 商品の説明 )

 

この作品の原作の『ダーク・タワー』の項で、原作の映画化について「この壮大な世界が壊れることが怖い気がします。」と書きましたが、残念ながらその心配は当たってしまいました。

原作の文庫本で全十六冊にもなる『ダーク・タワー』を九十五分という短い時間に収めるということが不可能なのでしょう。

出来上がった映画は全く別の作品でした。

 

ローランドが黒人が演じていること自体は別に何の問題もありません。

また、本映画版『ダーク・タワー』に出てくる「悪」を代表する“黒衣の男”を演じているマシュー・マコノヒーもそれなりに悪くないと思いました。

ただ、そもそもこの映画の脚本、もしくは演出上表現されている“黒衣の男”は、単にC級のSF映画に出てくる魔法使いでした。

また、その手下もチンピラであったり、造形の下手なクリーチャーに過ぎなかったりと、C級映画以下の出来としか思えませんでした。

原作の持つ、異世界における現実世界との差異、“黒衣の男”の不気味さなどは全くないのです。

 

残念ながら原作とは全く別物と考えるしかないと思います。

ドクター・スリープ

冬季閉鎖中のリゾートホテルの管理人一家を、ホテルに巣食う悪霊たちが襲う。その恐怖と惨劇をおそるべき筆力で描ききった20世紀史に残るホラーの金字塔『シャイニング』。あれから36年、巨匠キングは「その後の物語」を書く。超能力“かがやき”を持つ少年ダニーは、どんな人生を歩んだのか?そして大人になった彼を、宿命は新たなる惨劇へと導くのだ。迫る邪悪と、彼と似た能力を持つ少女の誕生―誰も予想しなかった名作の続編が幕を開ける!(上巻「BOOK」データベースより)
忌まわしい地に巣食う、忌まわしい者たち。彼らをとめるのが、わたしたちの使命―“かがやき”を武器に、わたしたちは立ち上がる。世界一の物語作家によるエンタテインメント巨編。(下巻「BOOK」データベースより)

S・キングの初期の名作『シャイニング』の続編の長編ホラー小説です。

 

ロッキー山上にあるオーバールックホテルから脱出したダニー少年は、悪霊の影から逃げるために酒に走り、アルコール中毒となったことから定職にもつけずにいて、あちこちを放浪していました。

そして、じきに三十の大台に乗ろうかとする頃、フレイジャーという町へと流れついたのです。そのとき前作からの心の友であるトニーが「ここがその場所だよ」とダニーの心に語りかけてきたのでした。

その町にいたのがビリー・フリーマンであり、彼の紹介で町のサービス係のキングズリーに雇われることになります。ダニーは老人ホームの職員として働きながら、彼の“かがやき”の力を使い、天に召される患者の心安らかな人生の終わりを手助けしていました。

その後しばらくして、この町の近くで生まれたアブラという名の女の子との心の交流が始まります。お互いに顔も見知らぬままでの心の交流は続き、そしてアブラは成長して、ダニーらと共に真の敵である真結族と対決するその時が近づいてくるのでした。

 

さすがにS・キングの小説であり、それも『シャイニング』の続編ですから力が入っていて、それなりに面白く読んだ小説でした。

しかし、初期のS・キングの作品群で感じていたようなときめきは薄れているように感じます。

そのそもキングの初期の名作である『シャイニング』は、冬の山荘に閉じ込められたひと組の親子と、その山荘に潜む悪霊との、言わば絶対的な抽象的存在としての「悪」と、“かがやき”という力を持つ能力者との対決としての闘いが描かれていました。

キングの初期の作品にはこうした抽象的な悪が存在していたように思います。それは例えば『IT』(文春文庫 全四巻)でのピエロの存在のように、それなりに具象化された相手として設定されていたとしても、それは抽象的な超自然的存在としての悪の象徴にすぎなかったように思えるのです。

ザ・スタンド』(文春文庫 全五巻)や、2018年に映画が公開された『ダークタワー』(新潮文庫 全十六巻)のような大河小説にしても、具体的な悪の存在は設定してあっても、『指輪物語』における冥王サウロンのイメージのような、超越的存在としての根源的な悪が背景に想定できるのです。

しかし、この頃のキングは、本書のように具体的な存在としての「悪」が設定されていて、それに尽きる感じがします。本書の敵役は真結族であり、更にはその指導者で、シルクハットをかぶっているローズという名の女こそがダニーの、そしてアブラの前に立ちはだかるのです。

この「真結族」という存在は、ダニーやアブラたちが有する“かがやき”という力を、自分たちの生命の源である「命気」として吸い上げることを目指しています。それは、特にアメリカのホラー映画で見られるクリーチャーのような存在であり、具体的存在です。

まさに、欧米のホラー映画に登場するクリーチャーが恐怖の対象であるように、真結族という存在こそが「悪」であり、それで完結しているように思えます。

こうした感じ方はもしかしたら間違っているのかもしれません。本書においても真結族の背後により巨大な「悪」が存在していたのかもしれません。しかし、少なくとも私はその存在を読みとることはできませんでした。

S・キングの往年の迫力ある物語をまた読みたいものです。

ただ、まだ『11/22/63』(文春文庫 全三巻)という作品も読んでいないし、キング初のミステリーと言われる『ミスター・メルセデス』(文藝春秋 上下二巻)も読んでいません。更には『IT』も再映画化されて2017年に公開されたし、再びキングを読んでみようかという気になています。

グリーンマイル [映画]

スティーブン・キング原作の小説をフランク・ダラボン監督が映像化。双子の少女を殺害した罪で刑務所に送られてきた死刑囚と、彼の起こす奇跡によって幸せになっていく周りの人々の心の交流を描いた感動のヒューマンドラマ。出演はトム・ハンクス、マイケル・クラーク・ダンカンほか。(「Oricon」データベースより)

確かに良い映画ではありました。アカデミー賞で音響・脚本・作品賞をとったそうで、そうした評価が一般だと思います。

ただ、個人的には「ショーシャンクの空に」の方が良かったと思うので、微妙ではあります。

ミスト [映画]

スティーヴン・キング原作×フランク・ダラボン監督で贈る、極限状況下に置かれた人間の精神の脆さをリアルに描く衝撃のミステリー大作!ある夜突然、メイン州西部全域が未曾有の激しい雷雨に見舞われる。嵐におびえる住民たち。しかし、その後に襲ってきた“霧”こそが真の恐怖だった。霧に襲われる人々、店の外の霧に怯える人々だが、極度の恐怖に人々が反発し、友人、隣人の関係が突然崩れていく…。(「Oricon」データベースより)

よくできた映画だと思いました。前半の雰囲気作りも上手いし、異形の者たちの描写もこみあげてくる恐怖を盛り上げるように演出されていて、チープなホラーとは異なる、さすが「ショーシャンクの空に」、「グリーンマイル」を手がけたフランク・ダラボン監督だという作品でした。

何よりも圧巻はそのラストです。原作とは異なるのですが、キング自身が感嘆したという話があるほどに見事でした。映画の途中に出て来るクリーチャーなどの恐怖シーンよりも、この最後の場面がある意味一番怖かったですね。

キャリー [2013年版]

学校ではいじめられ、家庭では狂言的な母に監視されて、孤独な日々を送る高校生キャリー。ある日、彼女は念じるだけで物を動かせる能力があることに気付くが…。原作スティーブン・キング×主演クロエ・グレース・モレッツ。復讐を誓う少女がいま、超能力に荒れ狂う。(「Oricon」データベースより)

キャリー [1976年版]

クラスメートにいじめられてばかりのキャリー。しかし、彼女には隠されたパワーがあった。あるパーティで突然クイーンに選ばれに選ばれ有頂天になった彼女だが、それがクラスメートの残酷な悪戯であったことを知り…。スティーブン・キング原作による、1976年製作の名作ホラー。(「Oricon」データベースより)

かなり昔に見たのですが、とりたてて特別な印象は持たなかったと記憶しています。しかし、その後、ホラー映画としては珍しく高評価を得て、名作と言われる映画となっています。

監督がブライアン・デ・パルマということもあってかとは思うのですが、役者の演技、惨劇場面の演出など、当時としては画期的なものだったようです。

その後、2013年にクロエ・グレース・モレッツ主演でリメイクされています。

1408号室 [映画]

スティーヴン・キング原作のサスペンススリラー。宿泊した56人の客全員が1時間以内に死亡するというホテルの一室「1408号室」。オカルト作家のマイク・エンズリンは、真相を探るべく宿泊するのだが…。(「キネマ旬報社」データベースより)

スタンド・バイ・ミー [映画]

1959年オレゴンの小さな町。
文学少年ゴーディをはじめとする12才の仲良し4人組は、行方不明になった少年が列車に轢かれて野ざらしになっているという情報を手にする。
死体を発見すれば一躍ヒーローになれる! 4人は不安と興奮を胸に未知への旅に出る。
たった2日間のこの冒険が、少年たちの心に忘れえぬ思い出を残した・・・・・・。(Amazon商品説明より)

ショーシャンクの空に [映画]

無実の罪で“ショーシャンク刑務所”に投獄された青年は、心に秘めた希望と持ち前の明るさで周囲を変えていく…。スティーブン・キングの原作小説をフランク・ダラボンが見事に映画化した珠玉の感動作。ティム・ロビンス、モーガン・フリーマンほか出演。(「Oricon」データベースより)

何も知らずに、ただテレビで放映されていた映画を見たところ素晴らしい映画でした。タイトルもよく覚えてはいなかったのですが、後になって、これがキングの作品「刑務所のリタ・ヘイワース」という中編を原作とする映画だと知りました。

監督のフランク・ダラボンは、後にやはりキングの小説をもとに「グリーンマイル」を撮っています。この作品はまた非常に評判になりました。良い映画でした。