小川の辺 [DVD]

藤沢周平作品の中でもひと際名作との声が高い「小川の辺」を、篠原哲雄監督が東山紀之主演で映画化。藩政を痛烈に批判して脱藩した佐久間を討つよう命じられた海坂藩士・戌井朔之助。しかし、佐久間は朔之助の親友であり、妹・田鶴の夫であった。(「キネマ旬報社」データベースより)

必死剣鳥刺し [DVD]

藤沢周平の原作を、豊川悦司主演で映画化した時代劇。海坂藩の物頭・兼見三左エ門が、藩主・右京太夫の愛人・連子を城中で殺害する事件が発生。しかし、意外にも寛大な処分が下された三左エ門は、1年の閉門後、再び藩主に仕えることになり…。(「キネマ旬報社」データベースより)

 

豊川悦司が好きな役者さんなので、それだけでいいのです。更に言えば、殺陣が素晴らしく、見応えのあるものでした。

花のあと [DVD]

藤沢周平の短編時代小説を北川景子主演で映画化。藩の要職を務める名門・寺井家のひとり娘として生まれた以登。幼少の頃から父より剣の手ほどきを受けていた彼女が、武士の家に生まれた運命を受け入れながら凛として生きていく姿を描く。(「キネマ旬報社」データベースより)

 

以登が剣術の達人という設定ですが、剣道の素養が見えない北川景子には少々かわいそうかと思いました。感想と言えばそのくらいでしょうか。

藤沢作品をうまく映像化した、というわけでもなく、だからと言って見る価値もない、とも言えず、可もなく不可もないとしか言えない、というところです。

山桜 [DVD]

藤沢周平による原作を時代劇初挑戦の田中麗奈と東山紀之主演で映画化。辛い結婚生活を耐え忍ぶ女性が、かつて縁談を断った実直な侍と山桜の下で偶然出会い人生の光明を見つけ出す。篠田三郎、壇ふみ、村井国夫ら実力派俳優人らが脇を固める。(「キネマ旬報社」データベースより)

武士の一分 [DVD]

海坂藩の下級武士、三村新之丞は最愛の妻・加世とつましく暮らしていたが、新之丞が失明した日から平和な日々は暗転してしまう。自害しようとする夫を必死に思い留まらせる加世は、愛する夫のために罠にはまり…。木村拓哉を主演に迎え、監督・山田洋次×原作・藤沢周平「盲目剣谺返し」(「隠し剣秋風抄」文春文庫刊)で贈る、時代劇三部作の最後を飾る「武士の一分」がDVD化。(「Oricon」データベースより)

 

山田洋次監督の藤沢作品三部作の最後の作品です

 

申し訳ないけど、主人公が木村拓哉でなかったら、と思ってしまいました。この人はどこでも木村拓哉でしかないと感じてしまうのです。けっして、下手だとは思わないのですが、イメージが固定し過ぎてしまい、ある意味可愛そうな役者さんだと思います。

隠し剣 鬼の爪 [DVD]

『たそがれ清兵衛』から2年。山田洋次が監督・脚本を務め、藤沢周平原作によるふたつの短編小説を元に男女の悲恋を描いた時代劇。幕末を迎えた江戸時代を舞台に、下級武士である片桐宗蔵と、かつての片桐家の奉公人・きえが恋に揺れ悩む姿を静かに映す。(「キネマ旬報社」データベースより)

 

山田洋次監督が『たそがれ清兵衛』に続いて藤沢周平の時代小説を原作として作り上げた作品です。

永瀬正敏が主人公を演じ、松たか子ほかが出演しています。

たそがれ清兵衛 [DVD]

藤沢周平原作、山田洋次監督の傑作時代劇。貧乏で日々内職にいそしむ通称“たそがれ清兵衛”。ひょんなことから彼はその強さを知られ、藩命で果し合いをすることに。困惑する清兵衛だったが、これを機に幼馴染への秘めた恋に決着をつけようとする。(「キネマ旬報社」データベースより)

 

第26回日本アカデミー賞を総なめにした藤沢周平原作の「たそがれ清兵衛」を原作とする作品です。

真田広之の主演で、宮沢りえほかが出演しています。

 

いかにも山田洋二監督らしい、あたたかで、語りかけて来るような画面作りが為されていて、それでいて剣戟の場面ではメリハリの利いた殺陣で見せ場を作ってあって、見応えのある映画でした。

たそがれ清兵衛

下城の太鼓が鳴ると、いそいそと家路を急ぐ、人呼んで「たそがれ清兵衛」。領内を二分する抗争をよそに、病弱な妻とひっそり暮してはきたものの、お家の一大事とあっては、秘めた剣が黙っちゃいない。表題作のほか、「ごますり甚内」「ど忘れ万六」「だんまり弥助」「日和見与次郎」等、その風体性格ゆえに、ふだんは侮られがちな侍たちの意外な活躍を描く、痛快で情味あふれる異色連作全八編。(「BOOK」データベースより)

 

藤沢周平の代表作の一つである全八編の異色の連作短編集です。

 

どの作品も、剣の達人でありながら普段は同輩との付き合いもない生活をしているのですが、その剣の腕前を披露せざるを得ない状況が作られていきます。

中でも表題にもなっている「たそがれ清兵衛」はやはり「海坂藩」が舞台です。

剣の達人ではあるが、妻のために定刻には家に帰るところから「たそがれ清兵衛」と呼ばれる主人公が、主命により上意討ちを果たすという展開です。

 

山田洋次監督の映画版「たそがれ清兵衛」は、他に「竹光始末」「祝い人助八」が使われているので、この本とは筋が異なります。でも、この映画もよかったですね。真田広之の東北なまりでの演技もよかった。

 

 

ちなみに他の山田洋次監督の時代劇二作品、「武士の一分」「隠し剣 鬼の爪」も藤沢周平の作品が原作ですね。

 

三屋清左衛門残日録

日残りて昏るるに未だ遠し―。家督をゆずり、離れに起臥する隠居の身となった三屋清左衛門は、日録を記すことを自らに課した。世間から隔てられた寂寥感、老いた身を襲う悔恨。しかし、藩の執政府は粉糾の渦中にあったのである。老いゆく日々の命のかがやきを、いぶし銀にも似た見事な筆で描く傑作長篇小説。(「BOOK」データベースより)

 

蝉しぐれ』と並んで挙げられることの多い、藤沢周平の代表作の一つである長編時代小説です。

 

この本を読んだ後はこの作品の舞台となっている小藩は「海坂藩」のことだと勝手に思っていました。しかし、どうも明記されているわけでもなく、そうらしいというほかないようです。

主人公は引退した元用人で、例によって藩の紛争に巻き込まれていきます。

その人物造形が面白く、隠居爺さんと思ってたら五十代前半らしい。何と私より若い。それで、剣もそれなりに使え、体力が全くなくなっているわけでもない設定が腑に落ちました。

海坂藩大全

蝉しぐれ」もそうだけど、藤沢周平作品は海坂藩という東北の架空の小藩を舞台にした小説が多い。この本はそうした海坂藩を舞台にした短編を集めたものです。

殆どはずれはなく、藤沢周平の世界を堪能するには絶好の本ではないでしょうか。