砂の器 DVD-BOX

2004年1月~3月までTBS系列で放映された人間ドラマ。暗い過去と殺人という罪を背負った天才音楽家と殺人事件を追うベテラン刑事を描く。中居正広、渡辺謙ほか出演。(「Oricon」データベースより)

松本清張ドラマスペシャル 砂の器 [DVD]

松本清張の長編推理小説を玉木宏ほか豪華キャストでドラマ化。昭和35年、12月11日未明。東京・蒲田駅構内で初老男性の他殺体が発見。捜査本部の一員に加わった西蒲田署の刑事・吉村弘は、ベテラン刑事・今西栄太郎と共に事件の真相に迫る。(「キネマ旬報社」データベースより)

砂の器 デジタルリマスター版 [DVD]

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松本清張の社会派サスペンス小説を、橋本忍と山田洋次の共同脚本で映画化した傑作ドラマ。親子の“宿命”を断ち切り、音楽家として成り上がった和賀英良の前に、突如封印していた過去が突き付けられる。“あの頃映画 松竹DVDコレクション”。(「キネマ旬報社」データベースより)

 

サントラの「宿命」を背景に刑事である丹波哲郎の語りと共に流れる四季の映像の美しさは忘れられません。それだけに物語の哀しさは心を打ちました。日本映画の名作に数えられる一本だと思います。

砂の器

東京・蒲田駅の操車場で男の扼殺死体が発見された。被害者の東北訛りと“カメダ”という言葉を唯一つの手がかりとした必死の捜査も空しく捜査本部は解散するが、老練刑事の今西は他の事件の合間をぬって執拗に事件を追う。今西の寝食を忘れた捜査によって断片的だが貴重な事実が判明し始める。だが彼の努力を嘲笑するかのように第二、第三の殺人事件が発生する…。(「BOOK」データベースより)

 

本書も松本清張の代表作の中の一つといってもいい、名作の誉れ高い長編の推理小説です。

 

蒲田の操車場内で殺人事件が起きる。被害者と男が東北弁で「カメダ」について話していた事実が判明しますが、操作は行き詰るばかりです。そのうちに被害者は中国地方出身らしいことが判明し、事件の謎は深まっていくのです。

殺人事件の背景としてハンセン氏病の存在が大きく、非常に重い物語です。

しかし、読者をミスリードする材料として方言を使用し、「カメダ」というキーワードが今でも語られるように、名作中の名作として位置づけられる作品ですね。

勿論映画化もされ、名作と言われていますし、テレビドラマ化も何度も繰り返されています。

ビートたけし×松本清張 点と線

松本清張原作、テレビ朝日開局50周年記念番組として製作されたサスペンスドラマ。昭和32年、福岡市の香椎海岸で発見された男女の情死体に疑問を抱いたふたりの刑事が、真犯人探しに奔走する姿を描く。ビートたけし、高橋克典ほか豪華キャストが共演。(「キネマ旬報社」データベースより)

テレビ朝日開局50周年記念ドラマスペシャル。たけしが出ている、それだけでみ始めたドラマだったのですが、思いのほかも応えがあり、良くできたドラマでした。

点と線 [DVD]

松本清張のベストセラー小説を映画化したミステリーサスペンス。博多で発見された男女、公務員の佐山と料亭の女中・お時の死体は合意の上での心中と断定された。だが、老練の鳥飼刑事はそれに疑問を抱き…。(「キネマ旬報社」データベースより)

私は未見です。

他に『ビートたけし版 点と線』もありますが、思いのほかにいい出来だったと思います。

 

点と線

九州博多付近の海岸で発生した、一見完璧に近い動機づけを持つ心中事件、その裏にひそむ恐るべき奸計! 汚職事件にからんだ複雑な背景と、殺害時刻に容疑者は北海道にいたという鉄壁のアリバイの前に立ちすくむ捜査陣……。列車時刻表を駆使したリアリスティックな状況設定で推理小説界に“社会派”の新風を吹きこみ、空前の推理小説ブームを呼んだ秀作。(内容紹介より)

 

松本清張の代表作といっても過言ではない、名作の誉れ高い長編の推理小説です。

 

あまりにも有名な東京駅での空白の4分間が語られます。この作品が長編第一作なのですが、読者から絶大な支持を得ました。

政界の汚職事件に絡む動機を設定した松本清張は、以後社会派と称されるようになり、同様にリアリティーを追求した推理小説を次々と出版することになるのです。

 

いわゆる時刻表トリックの名作で改めて紹介するまでもないとは思いますが、それまでのトリック重視の物語から、トリックも十分に練り挙げられながら、なおかつ殺害の動機をも、実社会に根差した現実性を十分に持った汚職がらみの事件として仕立て上げられた作品です。

更に言えば、全体の構成をも重厚に仕上げていくその力量は、一時代を作り上げた松本清張という作家ならではのものだと思います。

 

急行列車での移動が当たり前で、新幹線などなかった時代の物語です。その時代背景を読みとることもまた面白いのではないでしょうか。

今では推理小説の古典と言うべき一冊です。

走れ!T校バスケット部

中学時代バスケットで好成績を残した主人公の田所陽一は、名門のH校に入ったがいじめにあい都立T高校に転入する。一度はバスケットを止めようと思った陽一だったが、あまりにT高バスケット部が下手なため、再度ボールを手にするようになるのだった。二年に進級した陽一はチームを率い新入部員と共に春の大会を経て秋の大会に出場し、いじめにあったH校と対戦する。

 

以上が第一巻のおおまかなあらすじで、一言でいえば、軽く読めるジュブナイル小説です。教訓めいたエピソードでつないだ物語と言ってもいいかもしれません。筋立ても少々ご都合主義的な個所も散見され、キャラも漫画チックです。

それでも、いじめ問題に真面目に、正面から取り組んでいる真摯な姿勢は好感が持てます。青春小説として人気があるのも良く分かるシリーズです。

この後、登場人物らは高校三年になり、そして卒業して社会人になりT高バスケット部の後進を指導する陽一や、社会に出て苦労する仲間である俊介、チビ、メガネ、のぞき魔達のその後が描かれます。

 

三年生の二巻目、三巻目辺りまではまだジュブナイルではあってもそれなりに熱い青春小説として結構面白く読み進めました。

しかし、高校を出て夫々の道を歩き始める四巻目辺りから少しづつ説教じみた台詞が目立つようになってきます。それまでもいじめ問題などに正面から立ち向かう姿勢が見えて、それはそれなりに好感をもって読めていたのですが、説教臭が前に出過ぎると途端に小説としての面白さは後退してしまいます。

せっかく、バスケットボールという舞台を得て、いじめ問題にも多様な意見はあるものの、それなりの評価を得ている物語が出来上がってきていたのにとても残念に思います。当初の新鮮な意気込みでの展開をもう一度期待したいと思います。

現時点(2018年06月)では全10巻が完結しています。

 

このシリーズは、作者の松崎洋の息子である松崎準氏をモデルに書かれているとありました。そして、残念なことに松崎洋氏は2014年2月にかねてから闘病中のところを間質性肺炎のため死去されたそうです。

その後、モデルであったご子息の松崎準氏があとを継ぎ、このシリーズの十巻目を仕上げられました。そのため、十巻目は松崎洋氏と松崎準氏との共著として出版されています。

 

 

また、このシリーズは幻冬舎から近藤こうじの画でコミック化(全三巻)されていますし、更には映画化も決まっています。
 
『走れ!T校バスケット部』特報_ – YouTube : 参照