人形つかい

アイオワ州に未確認飛行物体が着陸した。その調査におもむいた捜査官六名は行方不明になってしまった。そこで、秘密捜査官サムとその上司、そして赤毛の美人捜査官メアリは、真相究明のため現地に向かう。やがて、驚くべき事態が判明した。アイオワ州の住民のほとんどは、宇宙からやってきたナメクジ状の寄生生物にとりつかれていたのだ。人間を思いのままに操る恐るべき侵略者と戦うサムたちの活躍を描く、傑作冒険SF。(「BOOK」データベースより)

アイオワ州に降り立った未確認飛行物体を調査しに行った六人の捜査官が行方不明にり、ある秘密情報機関の捜査官のサムは上司のオールドマン達と共に調査に向かうこととなった。彼らがアイオワ州で見たものはナメクジのような生物であった。

古典的なSFです。地球外生物により体を乗っ取られる、という設定の元祖的作品らしいです。その生物は体を乗っ取り、記憶や感情までをも操るのです。本書は主人公サムの一人称で語られます。そして・・・。

この本もあまり覚えていません。多分ジュブナイル的な小説ではなかったかとおもうのですが、定かではありません。どちらにしても、SFを楽しむというよりは、アクション小説風の冒険譚としての物語だったと思います。

メトセラの子ら

長命族が自分たちが長命である事実を公開した途端、世界は敵に回った。一族の仲間が次々と逮捕される事態をうけ長であるラザルス・ロングは恒星間飛行へと旅立つことを決意する。

この旅立ちまでの迫害の物語と、旅立ち後の宇宙での冒険物語との二段階の物語になっていて、脂の乗り切った時期に書かれた本でもあり、面白い小説です。

また、この作品はハインラインの未来史に繋がる物語です。ハインラインの未来史についてはよく分かりません。未来史を意識して書かれていたという初期短編集がありますが、そうした作品と時代背景を共通にすると思われる本書を始めとする長命族の物語も未来史に属すると言われます(下記参照)。同じ時間軸には「宇宙の孤児」も位置づけられ、更には「異星の客」「月は無慈悲な夜の女王」も未来史に属するといえそうな作品だそうです。だそうです、というのは自分ではそういう意識では読んでいなかったもので、確認が出来ないからです。どなたか明確に教えてもらないものでしょうか。

正直、内容をあまり覚えていないのです。ただ、30年以上も前にかなり面白いと思って読んだという記憶はあります。SFがSFらしかった時代の物語です。

未来史シリーズ

  1. 月を売った男(短編5編中3篇は次の「デリラと・・・」と同じ)
  2. デリラと宇宙野郎たち (ハヤカワ文庫 SF―未来史1)
  3. 地球の緑の丘 (ハヤカワ文庫SF―未来史2)
  4. 動乱2100 (ハヤカワ文庫SF―未来史3)

未来史 ラザルス・ロングシリーズ

  1. メトセラの子ら(本書)
  2. 愛に時間を(1)(2)(3)(ハヤカワ文庫 SF)
  3. 獣の数字
  4. ウロボロス・サークル (ハヤカワ文庫 SF)(ここに入れて良いか不明)
  5. 落日の彼方に向けて

夏への扉

ぼくの飼っている猫のピートは、冬になるときまって夏への扉を探しはじめる。家にあるいくつものドアのどれかひとつが、夏に通じていると固く信じているのだ。1970年12月3日、かくいうぼくも、夏への扉を探していた。最愛の恋人に裏切られ、生命から二番目に大切な発明までだましとられたぼくの心は、12月の空同様に凍てついていたのだ。そんな時、「冷凍睡眠保険」のネオンサインにひきよせられて…永遠の名作。 (「BOOK」データベースより)

タイムトラベルものです。

主人公ダンはは友人マイルズと会社を設立し、主人公の開発した家事用ロボットの販売を開始する。しかし、マイルズの裏切りにあい、ダンは冷凍睡眠に入ってしまう。目覚めた西暦2000年でタイムマシンの存在を知り、過去に戻り復讐を図るダンだった。

タイムトラベルものの一大テーマである「過去の改変」をメインに据えた物語です。しかし、タイムパラドックスを前面に押し出した物語ではありません。その点に関しては、別にパラドックスは良いじゃないか、ということになっています。単に過去の事実を改変するだけです。改変の後はその事実に沿って歴史が流れていきます。その改変の作業と流れがまさにハインラインであり、人気なのでしょう。

本書は1970年が舞台です。そして、冷凍睡眠により目覚める先は西暦2000年なのです。今現在(2014年)の私達はその設定上の未来のさらに先を生きているわけで、その観点から本書を読むのもまた面白いのではないでしょうか。

メインの筋は以上のような過去の改変による復讐なのですが、もう一筋の流れとして恋物語があります。

「猫」の物語と言われているそうです。知りませんでした。でも、はっきり言って、猫自体はあまり関係ありません。ただ、冒頭と最後に物語の流れとは関係は無いものの、小説として実に重要な役割を果たしています。

上記リンクは福島正実氏の旧訳版です。小尾芙佐氏訳出の「夏への扉[新訳版] 」は右のリンクをどうぞ。

月は無慈悲な夜の女王

2076年7月4日、圧政に苦しむ月世界植民地は、地球政府に対し独立を宣言した!流刑地として、また資源豊かな植民地として、月は地球から一方的に搾取されつづけてきた。革命の先頭に立ったのはコンピュータ技術者マニーと、自意識を持つ巨大コンピュータのマイク。だが、一隻の宇宙船も、一発のミサイルも持たぬ月世界人が、強大な地球に立ち向かうためには…ヒューゴー賞受賞に輝くハインライン渾身の傑作SF巨篇。(「BOOK」データベースより)

コンピュータ技師のマニーが月世界を管理しているコンピューターの奇妙な動きを調べると、マシンが意識を持っている事実を知ります。折しも、月世界では独立運動の気運が高まっており、マニーもその中に取り込まれて、意識を持ったマシンも巻き込んだ革命が進行していくのです。

改めて読むと政治的なメッセージ等々を読みとることが出来るのでしょう。しかし、私が読んだときはそうしたメッセージなど全く頭には浮かばず、一種の冒険活劇小説であり単純に面白いSFという認識しかありませんでした。改めて考えてみると、私は基本的に小説を読んでその背景にある著者の政治思想まで思いを及ぼすことは殆ど無いようです。登場人物の主張として消化してしまい、それで終わりなのです。それも一つの読書の在り方でしょう。

その物語は、意識を持ったコンピュータと月で生きるコンピューター技師、学者らが革命を起こし地球の政府と渡り合う、その様が七百頁近くもある大部の文庫本で語られるのですが、実際手に取り読み始めると一気に引き込まれてしまいます。ストーリーテラーとしてのハインラインの面目躍如たる物語です。

インターネットも無い1960年代半ばに書かれた本書ですが、ハード面の描写そのものなどに古さを感じることはあっても、物語そのものは古くは無いと思います。

1967年のヒューゴー賞長編小説部門を受賞しています。

スターシップ・トゥルーパーズ インベイジョン

総員出撃!死ぬまで戦え!ハリウッド×日本トップクリエイターが放つ、SFバトル・アクション!バグに猛襲された地球連邦軍の宇宙基地から脱出に成功した巨大戦艦が突如消息を絶った。パワード・スーツで武装した精鋭部隊を乗せた宇宙船が救出に向かったが、戦艦はすでに大量のバグに占拠され制御不能となっていた。しかも戦艦が目指していたのは地球で…。(「Oricon」データベースより)

荒牧伸志監督以下、日本人スタッフを中心に作成されたCGアニメ映画。

スターシップ・トゥルーパーズ3

ポール・バーホーベン製作総指揮による人気SFシリーズ第3弾。対バグ戦争も最終局面を迎え、地球連邦軍は戦力を増強、新兵器のパワードスーツを導入し壮絶な戦いに挑む。(「キネマ旬報社」データベースより)

本作品で初めてパワードスーツが登場しますが、首をひねるしかないものでした。

スターシップ・トゥルーパーズ2

ハリウッドを代表するVFXアーティスト、フィル・ティペットが監督を務めたSFアクション第2弾。昆虫型エイリアンの猛攻撃に合ったシェパード将軍率いる中隊は、撤退して廃墟へ逃げ込むが…。(「キネマ旬報社」データベースより)

一作目以上にB級とも言えない、との印象が強い映画でした。

内容は全く記憶にありません。

スターシップ・トゥルーパーズ

ロバート・A・ハインライン原作の「宇宙の戦士」を、ポール・バーホーベン監督が映画化した、昆虫型エイリアンと人類の壮絶な死闘を描いたSF大作。キャスパー・ヴァン・ディーン、ディナ・メイヤーほか出演。(「Oricon」データベースより)

2014年現在でアニメ版も含めて四作が作られています。

原作の主人公の成長譚の側面が切り捨てられて、昆虫型の異星人との戦闘シーンが展開されている、という印象でした。何よりパワードスーツが無く、ハインライン原作と謳ってはいけない、と言われても仕方がないでしょう。三作目で初めてパワードスーツが登場しますが、これも首をひねるものでした。

四作目の「スターシップ・トゥルーパーズ インベイジョン」は荒牧伸志監督によるフルCGアニメーションです。これは見ていません。

宇宙の戦士

1960年のヒューゴー賞受賞作品。

何かと物議を醸した作品です。何より、武力を肯定的に描いている、ということで批判がありました。軍事教練についても同様ですね。また、装丁の素晴らしさなどから、パワードスーツ(強化防護服)のアイデアがあのガンダムの原型となった作品、とも言われ話題になった作品でもあります。

当時は冷戦の只中でもあり、敵役となる異星人が共産主義と重ねあわされる、などということも言われたようです。当時の世界が冷戦状態でベトナム戦争のこともあって、力こそ至上とする「力の論理」が声高に叫ばれていた時期でもあり、また、物語の背景となる社会が兵役の有無で参政権付与に差を設けたりと、「(武)力」を肯定的に描いた本書がやり玉に挙がったのも仕方がないのかもしれません。

「力の論理」は今でも解決した問題とは言えませんが、単純な私は、単純に「面白い」小説という認識で、単純に騒いでいたと思います。(今でもそうですけど。)

そうした背景を持つ物語ではありますが、地球連邦軍宇宙陸軍に入った少年ジュアン・リコが歩兵としてしごかれ、一人前の兵士として成長していく物語で、少年の成長譚としても大変に面白い物語です。映画もありましたが、設定だけを真似た別物ですね。