フライ,ダディ,フライ

「ゾンビーズシリーズ」の2作目です。このシリーズ自体、痛快青春小説として面白いです。

この本は中でもちょっと変わっています。以前読んだロバート・B・パーカーの「初秋」を思い出しました。「初秋」はハードボイルドで、主人公のスペンサーが仕事で知り合った、内に閉じこもる少年を自立させる物語です。

単に弱者が強者に育て上げられるというだけの一致しかないのです。それどころか、「初秋」の少年に対し、こちらは普通のサラリーマンのおじさんの再生の物語です。でも「初秋」の叙情性(?)は無いけれども本書も金城一紀のストーリー仕立てのうまさからか楽しく読むことができました。

「初秋」と本書を並べることはかなり異論があるかもしれませんが、そこは個人の感想なのでご容赦下さい。

映画篇

この本も短編集です。誰もが知っている名作映画をテーマに各短編が語られていきます。

全体の構成も素晴らしく、読み終わったら幸せな気分になるでしょう。

私が映画好きということもあるけれども、金城一紀の本を一冊だけと言われたら、「GO」よりもこの本を挙げると思います。

対話篇

3篇からなる短編集です。この本も決して明るい本ではありません。というより、3篇共にどちらかと言えば暗いテーマです。

このように「暗いテーマ」と書けば語弊があるかもしえません。決して重くはないのです。それどころか、その読後感は爽やかな感動をもたらしてくれます。

絶対お勧めです。いや、読むべき本の一冊です。

GO  [DVD]

第25回日本アカデミー賞の最優秀主演男優賞をとった窪塚洋介の存在感が素晴らしかったですね。

柴咲コウも同日本アカデミー賞の最優秀助演女優賞をとっています。というより、優秀作品賞を始め総なめと言った方が良いみたいです。

GO

2000年の直木賞受賞作です。金城一紀の自伝的作品で、窪塚洋介主演で映画化もされました。

他の作品とは違い決して明るい話ではないけれども、在日韓国人である主人公の立ち位置が明確で、とても読みやすい本でした。

でも、そうした主人公の国籍に絡む問題を抜きにして、誤解を恐れずに言えば単純に青春小説として面白い作品だと思います。