戦国スナイパー

銃で撃たれる時代劇姿の人々。陸上自衛隊狙撃隊員の慶一郎は、転がる本物の死体に驚愕する。鎧武者の隊列にも火縄銃が向けられ、咄嗟の行動で救った標的の男は、あの織田信長だった。戻るべき駐屯地も消失し、戦国時代にタイムスリップしたと確信した慶一郎は、狙撃の技術を買われ信長の配下となるが…。(「BOOK」データベースより)

2015年04月現在で4巻まで出ていますが、まだ2巻までしか読んでいません。でも、その限りですが、「ゲート」同様に物語を読んでいく上での構成の破綻も無く、面白く読みました。戦国時代で狙撃手としての腕を生かしのし上がっていく姿は思ったよりもしっかりと書き込んである印象です。

勿論、話自体がテレビドラマ化もされた漫画「仁(じん)」と同様の設定ですので、細かいところを言えば色々とあるかとは思いますが、単純に楽しく読めればいいのではないでしょうか。そして、私は楽しく読めました。

現時点では2巻まで文庫化されています。

戦国スナイパーシリーズ(2015年04月01日現在)

  1. 信長との遭遇篇
  2. 謀略・本能寺篇
  3. 信玄暗殺指令篇
  4. 慶一郎絶体絶命篇

氷風のクルッカ

スオミ共和国の猟師の孫である少女クルッカは、小さな頃から銃の才能を示す娘だった。クルッカが17歳になった頃、隣国ニューヴォスト連邦のヴェナヤ軍の、スオミ共和国への侵略が始まった。クルッカは男と偽りスオミ軍に入り、狙撃手として名を馳せるが、そこで出会ったのが「白い死神」の異名を持つシモ・ヘイヘだった。シモ・ヘイヘを師として驚異的な成長を遂げるクルッカだったが、その前にヴェナヤ軍の女狙撃手ナタリアとミーシャが立ちはだかるのだった。

最初は現実の北欧の設定をそのまま持ってくるような、変な設定だなと思いつつ読んでいました。内容も天才女スナイパーの物語ではあるのだけれど、どうも物語としての面白さがあまり感じられず、とりあえず最後まで読んでみたのです。それでも物語の骨格はきちんとしていると感じられるし、「ゲート」の作者らしい書き方ではある、などと思っていました。

ところが、この文章を書くにあたり少々ネットを眺めていたら、本書の戦争の舞台が、実際にフィンランドとソビエト連邦の間で起こった「冬戦争」をモデルとしており、何よりもシモ・ヘイヘという人物は実在の人物だということを知りました。フィンランドの読み方だと「シモ・ハユハ」というその人は、公式確認戦果505人という記録まで残っているそうで、数々のエピソードが残っているそうです。

この事実を知って本書を読んでいたら印象も変わったかもしれません。

ミリタリー小説が好きな方ならはまるかも。

ゲート

20××年、夏――白昼の東京・銀座に突如、「異世界への門」が現れた。中から出てきたのは軍勢と怪異達。陸上自衛隊はこれを撃退し、門の向こう側である「特地」へと踏み込んだ――。シリーズ20万部突破!超スケールの異世界エンタメファンタジー、待望のコミック化!!(Amazon商品の説明より)

ゲート 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり

ある日突然日本は銀座のど真ん中に異世界との門(ゲート)が現れ、中から異世界の軍隊が現れ殺戮を始めた。その時に多くの人々を助けたのが自衛隊きってのオタクである伊丹耀司である。何とか異世界軍を押し返し、ゲートの異世界附近に橋頭保を確保した自衛隊だったが、その異世界は魔法使いやエルフ、龍などが闊歩する世界だった。「特地」と呼ばれた異世界で調査に向かった伊丹達だったが、魔法使いのレレイを始めとする異世界の住人と知り合いになり、更には日本国と「特地」との交流も始まるのだった。

ファンタジーです。あまり期待せずに読んでみたのですが、思いのほかに骨格がしっかりとしていて、十分以上に読むに耐える物語で、掘り出しものでした。

魔法が幅を利かせ、龍が空を舞い、甲冑の騎士が戦場で争う世界、そこに日本の自衛隊が紛れ込む設定は、まさにファンタジーの王道です。自衛隊の異世界での活躍といえばまずは半村良の名作「戦国自衛隊」がありますが、あちらは過去の日本へのタイムスリップ。本作品は全くの異世界への混入と状況は異なります。

そして、自衛隊という組織や自衛隊員の所持する武器など、その実態を知らない読者も納得させるだけの(多分正確な)知識及び知識量を持って描写してあり、更に言えば「特地」(本書で舞台となる異世界)の社会自体の構造まで世界観が破綻せずに描いてあるので、安心して読み進めます。

主人公の伊丹耀司が漫画オタクという設定も現代的ですし、その危機回避能力や戦闘能力の高さなどもそれなりに理屈付けをしてあったりと、細かなところまで世界観の構築がきちんとできているので好みにはまりました。

現時点で一応の完結を見ていますが、外伝として書き続けられています。

ただ現代の「萌え」系の物語らしく、美少女系のキャラクターが重要な登場人物として活躍したりもしますので、そうしたキャラも許せる人でないと読み続けるのは難しいでしょう。また、少々のおちゃらけも許せない人も無理でしょうね。

ちなみに、現時点では、外伝の弐「黒神の大祭典編」まで文庫化されています。

ゲート 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えりシリーズ(2015年04月01日現在)

  1. 接触編
  2. 炎龍編
  3. 動乱編
  4. 総撃編
  5. 冥門編
  1. 外伝 南海漂流編
  2. 外伝弐 黒神の大祭典編
  3. 外伝参 黄昏の竜騎士伝説編
  4. 外伝四 白銀の晶姫編