戦国スナイパー

戦国スナイパーシリーズ(2020年05月01日現在)

  1. 信長との遭遇篇
  2. 謀略・本能寺篇
  3. 信玄暗殺指令篇
  1. 慶一郎絶体絶命篇
  2. 壊れた歴史を修復せよ篇

 

銃で撃たれる時代劇姿の人々。陸上自衛隊狙撃隊員の慶一郎は、転がる本物の死体に驚愕する。鎧武者の隊列にも火縄銃が向けられ、咄嗟の行動で救った標的の男は、あの織田信長だった。戻るべき駐屯地も消失し、戦国時代にタイムスリップしたと確信した慶一郎は、狙撃の技術を買われ信長の配下となるが…。(「BOOK」データベースより)

 

自衛隊員が戦国時代にタイムスリップするという定番ともいえる長編の歴史改変小説です。

当然、 半村良の『戦国自衛隊』をまず思い出しますが、本『戦国スナイパー』という作品は、より軽く、よりファンタジックといえます。

 

 

とはいえ、全五巻のうち二巻までしか読んでいないという前提ですが、「ゲート」同様に物語を読んでいく上での構成の破綻も無く、面白く読めた作品でした。

戦国時代で狙撃手としての腕を生かしのし上がっていく姿は思ったよりもしっかりと書き込んである印象です。

 

もちろん、話自体がテレビドラマ化もされた漫画「仁(じん)」と同様のタイムスリップものですので、細かいところを言えば色々とあるかとは思いますが、単純に楽しく読めればいいのではないでしょうか。

そして、私は楽しく読めました。

氷風のクルッカ

スオミ共和国の猟師の孫である少女クルッカは、小さな頃から銃の才能を示す娘だった。クルッカが17歳になった頃、隣国ニューヴォスト連邦のヴェナヤ軍の、スオミ共和国への侵略が始まった。クルッカは男と偽りスオミ軍に入り、狙撃手として名を馳せるが、そこで出会ったのが「白い死神」の異名を持つシモ・ヘイヘだった。シモ・ヘイヘを師として驚異的な成長を遂げるクルッカだったが、その前にヴェナヤ軍の女狙撃手ナタリアとミーシャが立ちはだかるのだった。(「BOOK」データベースより)

 

実際にあった「冬戦争」をモデルとした一人の女狙撃手の姿を描く長編の戦争小説です。

 

最初は現実の北欧の設定をそのまま持ってくるような、変な設定だなと思いつつ読んでいました。

内容も天才女スナイパーの物語ではあるのだけれど、どうも物語としての面白さがあまり感じられず、とりあえず最後まで読んでみたのです。

それでも物語の骨格はきちんとしていると感じられるし、「ゲート」の作者らしい書き方ではある、などと思っていました。

 

ところが、この文章を書くにあたり少々ネットを眺めていたら、本書の戦争の舞台が、実際にフィンランドとソビエト連邦の間で起こった「冬戦争」をモデルとしており、何よりもシモ・ヘイヘという人物は実在の人物だということを知りました。

フィンランドの読み方だと「シモ・ハユハ」というその人は、公式確認戦果505人という記録まで残っているそうで、数々のエピソードが残っているそうです。

この事実を知って本書を読んでいたら印象も変わったかもしれません。

ミリタリー小説が好きな方ならはまるかも。

ゲート[ コミック ]

20××年、夏――白昼の東京・銀座に突如、「異世界への門」が現れた。中から出てきたのは軍勢と怪異達。陸上自衛隊はこれを撃退し、門の向こう側である「特地」へと踏み込んだ――。シリーズ20万部突破!超スケールの異世界エンタメファンタジー、待望のコミック化!!(Amazon商品の説明より)

 

2020年5月1日の時点で、第16巻まで出版されています。

ゲート 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり

ゲート 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えりシリーズ(2020年05月01日現在)

  1. 接触編
  2. 炎龍編
  3. 動乱編
  1. 総撃編
  2. 冥門編

ゲートSeason2 自衛隊 彼の海にて、斯く戦えり(2020年05月01日現在)

  1. 抜錨編
  2. 謀濤編
  1. 熱走編
  2. 漲望編

ゲート 外伝(2020年05月01日現在)

  1. 外伝 南海漂流編
  2. 外伝弐 黒神の大祭典編
  3. 外伝参 黄昏の竜騎士伝説編
  1. 外伝四 白銀の晶姫編
  2. 外伝+ 特地迷宮攻略編

 

二〇××年、突如として東京銀座に「異世界への門」が開かれた。その中から侵攻してきたのは「異世界」の軍勢や怪異達。陸上自衛隊はこれを撃退し、門の向こう側『特地』へと足を踏み入れる。およそ自衛官らしくないオタク自衛官、伊丹耀司二等陸尉(33)は、部下を率いて『特地』にある村落を偵察することに―そこには金髪エルフやゴスロリ神官など、夢にまで見た美少女達の姿が!?超人気の自衛隊×異世界ファンタジー、文庫化第一弾・前編。(「BOOK」データベースより)

巨大災龍撃退に続き、『特地』の都市・イタリカ防衛戦でも快勝した陸上自衛隊。ところがその頃、日本では自衛隊の活動に対する野党の追及が激しさを増していた。そしてついに、自衛官である伊丹、さらには『特地』の住人を参考人として国会に招致することが決定される。初めて門を越えた異世界の美少女達は、日本の文明に大はしゃぎ!しかし、そんな彼女達を狙う謎の影が―!?超人気の自衛隊×異世界ファンタジー、文庫化第1弾・後編。(「BOOK」データベースより)

 

なかなかに読みがいのある、長編のファンタジー小説です。

あまり期待せずに読んでみたのですが、思いのほかに骨格がしっかりとしていて、十分以上に読むに耐える物語で、掘り出しものでした。

 

魔法が幅を利かせ、龍が空を舞い、甲冑の騎士が戦場で争う世界、そこに日本の自衛隊が紛れ込む設定は、まさにファンタジーの王道です。

自衛隊の異世界での活躍といえばまずは 半村良の名作『戦国自衛隊』がありますが、あちらは過去の日本へのタイムスリップ。本作品は全くの異世界への混入と状況は異なります。

 

 

そして、自衛隊という組織や自衛隊員の所持する武器など、その実態を知らない読者も納得させるだけの(多分正確な)知識及び知識量を持って描写してあります。

更に言えば「特地」(本書で舞台となる異世界)の社会自体の構造まで世界観が破綻せずに描いてあるので、安心して読み進めます。

主人公の伊丹耀司が漫画オタクという設定も現代的ですし、その危機回避能力や戦闘能力の高さなどもそれなりに理屈付けをしてあったりと、細かなところまで世界観の構築がきちんとできているので好みにはまりました。

 

現時点で一応の完結を見ていますが、外伝として書き続けられています。

ただ現代の「萌え」系の物語らしく、美少女系のキャラクターが重要な登場人物として活躍したりもしますので、そうしたキャラも許せる人でないと読み続けるのは難しいでしょう。

また、少々のおちゃらけも許せない人も無理でしょうね。