化石の荒野 [DVD]

“西村寿行の小説を原作に映画化したサスペンスアクション。終戦前夜、5,000キロの金塊を積んだ1機の爆撃機がオホーツクで消息を絶つ。それから36年後、現職の部長刑事・仁科が殺人犯に仕立て上げられ…。渡瀬恒彦と夏八木勲の格闘シーンが見どころ。”(「キネマ旬報社」データベースより)

 

未見です。

黄金の犬 [DVD]

西村寿行の同名小説を元に描いたサスペンス。武器輸出に絡む汚職事件を背景に、その秘密を握る主人を失った猟犬の姿を描く。北海道標別岳の麓で主人を失った猟犬・ゴロは、通産省武器課長の永山勇吉に助けられる。“角川シネマコレクション 9月度”。(「キネマ旬報社」データベースより)

 

かなり昔に見た筈ですが、内容は記憶にありません。

君よ憤怒の河を渉れ [DVD]

『新幹線大爆破』の高倉健と佐藤純彌監督が再びコンビを組んだアクション。無実の罪を着せられた現職検事が、執拗な刑事の追跡をかわしながら、自らを罠に陥れた見えない敵に復讐するため、壮大な旅に出る。“角川シネマコレクション 9月度”。(「キネマ旬報社」データベースより)

健さんファンの私としては、健さんが出演しているだけでいいのだけれど、映画自体も結構面白かったと記憶しています。

君よ憤怒の河を渉れ

東京地検のエリート検事・杜丘冬人は、新宿駅の雑踏で突然、女性から強盗強姦犯人だと指弾される。濡れ衣を着せられたその日から地獄の逃亡生活が始まった。自分を罠に陥れた者は誰なのか。怒りだけが彼の支えだった。巨匠の最高傑作長篇。(「BOOK」データベースより)

 

西村寿行の描く、ハードロマン小説に連なる作品群の皮切りとなった長編冒険小説です。

 

主人公東京地検検事・杜丘冬人は突然凶悪事件の犯人として逮捕される。隙を見て逃げ出した杜丘は真相を解明するべく北海道へ飛ぶ・・・。

この本の頃から冒険小説としての色合いが濃くなってきていると記憶しています。

 

高倉健主演で映画化もされ、大ヒットしました。更には2017年にジョン・ウー監督の手により『マンハント』というタイトルで福山雅治を主人公としてリメイクされました。

 

 

正統派の冒険小説と言って良いと思います。

確かに、熊と戦うなど荒唐無稽さが無いわけではないのですが、物語の流れとして読ませるのは筆の力なのでしょうか。

鯱シリーズ

鯱シリーズ(完結)

  1. 赤い鯱
  2. 黒い鯱
  3. 白い鯱
  4. 碧い鯱
  1. 緋の鯱
  2. 遺恨の鯱
  3. 幽鬼の鯱
  4. 神聖の鯱
  1. 呪いの鯱
  2. 幻覚の鯱 神軍の章
  3. 幻覚の鯱 天翔の章

 

仙石文蔵をリーダーとするスーパーマン達の活躍を描く、能天気な冒険活劇小説としてただただ楽しんで読む本です。

勿論、エロスとアクション満載の超人が活躍するスパイ、アクション小説ですから、エンターテインメント小説として他には何も言うことはありません。深読みすればできるのでしょうが、その必要もないと思います。

単純に面白い本です。

癌病船シリーズ

癌病船シリーズ(完結)

  1. 癌病船
  2. 癌病船応答セズ

 

病船・北斗号は「世界保健機構の付属機関であるリチャード・スコット財団が、難病・癌と戦うべく建造した未曾有の病院船」です。ヒューマニズムの極致のようなこの船なのですが、世界の現実に向かうと何かと障害が立ちはだかり、その障害に立ち向かうハードアクション小説として描かれています。

テーマは人間の病魔との闘いという実に普遍的なテーマなのですが、それをアクション小説に仕上げる力量は見事なものです。

ただ、このテーマ故に苦手とする人もいるかもしれません。

でも私は面白い小説としてお勧めします。

この本も古書、もしくはKindle版(上記イメージ)でしか見当たらないようです。

蒼茫の大地、滅ぶ

はっきりとしたことは分かりませんが、何ヵ所かの出版社から出されているようです。

こちらもまた同様ではっきりとしたことは分かりませんが、作画は田辺節雄氏の手になるようです。

蒼茫の大地、滅ぶ

突如、日本を襲ったバッタの巨大な群れは、東北地方で米、野菜を喰いあらし、人々をパニックに陥れた。不信、暴動、輪姦……最悪な事態をむかえ、対策は急を要した。しかし、政権を維持しようとする中央政府の出した結論は、東北六県を切り捨てる冷酷・非情なものであった。やむをえず、東北地方の県民による「東北地方守備隊」が組織され、中央との対立はついに限界に達する……! 空前絶後の想像力で描く、感動のスーパー・パニック・ロマンの傑作!( Kindle版 上巻 : 内容紹介より)

幅10キロ、長さ20キロにも及ぶ飛蝗の群団に襲われ、中央政府との対立を余儀なくされた東北六県は、ついに独立を宣言した。しかし、中央政府は武力鎮圧を重ね、悲劇は悲劇を呼ぶことになる。人は飢え、人心はついに野獣と化し、全てが滅びへと向かってひた走っていった。自然の凄絶さ、人間の生地獄……空前絶後の想像力で描き上げた、感動のスーパー・パニック・ロマン巨編。( Kindle版 下巻 : 内容紹介より)

 

文庫本で上下二巻の、西村寿行のパニックロマン長編小説です。

 

中国で大量発生し海を渡ってきた飛蝗(トノサマバッタ)のため東北地方は莫大な損害を受ける。しかし、日本政府は東北地方を救済するどころか大都市のために食料等の供出を命じる。

そこで、東北六県は自らの存続をかけ日本国に見切りをつけ独立を宣言し、日本国との軍事的対立をも辞さない構えをとることとなるのだった。

 

国と地方自治体との対立から個人レベルでの争いまで、危機的状況下での描写が迫力あるタッチで描かれます。

パニック小説と聞いて今でも一番に思い浮かぶのは小松左京の『日本沈没』とこの作品です。この作者が一番脂がのっている時期の作品ではないでしょうか。

 

 

 

日本沈没』は国土を失った民族の行く末が書きたかった、と著者の小松左京氏が語っていましたが、本作品はエンターテインメント性の高い、地方の独立、国土の分割に際してのシミュレーション小説としての面白さと言えるでしょう。

フィクション故の面白さに満ちた作品だと思います。

本作品も古本しか見当たりません。若しくは、Kindle版なら出版されています。