バトル・ロワイアル II 鎮魂歌(レクイエム)

社会現象を巻き起こした大ヒット作の続編であり、深作欣二監督の遺作となったバイオレンスアクション。前作から3年、反BR法組織“ワイルドセブン”を率いる七原秋也を倒すためにBR法が改正。政府は42人の中学生を拉致し、七原秋也のアジトに進入させる。(「キネマ旬報社」データベースより)

 

本作は高見広春の作品を原作とする映画ではありません。前作の「バトル・ロワイアル」の続編として制作されたものです。ですから、本来はここで挙げるべき性格の映画とは違うのかもしれませんが、一応続編ということで挙げておきます。

 

本作品制作の途中で深作欣二監督が亡くなられ、息子である深作健太が監督を引き継いで完成させましたが、前作ほどの評判にはなりませんでした。

バトル・ロワイアル 特別篇

深作欣ニ監督、ビートたけし出演のバイオレンスアクションに追加シーンを加えた特別編。新世紀教育改革法に基づき、無人島で中学生が殺し合う。“<東映 ザ・定番>”。(「キネマ旬報社」データベースより)

 

監督深作欣二の手になるアクション映画。

 

ビートたけしが冒頭だけではあるけれども出演していました。第24回日本アカデミー賞では優秀作品賞、優秀監督賞、優秀主演男優賞他を受賞し、第43回ブルーリボン賞の作品賞、そして主人公を演じた藤原竜也個人として同新人賞を受賞しています。映画としてはまあ面白かったと思います。

クエンティン・タランティーノが本作に惚れこんで映画ランキングでも一位を与えています。

 

続編として「バトル・ロワイアルII 鎮魂歌」が製作されています。

 

 

なお、上記「バトル・ロワイアル」のリンクは劇場公開版に追加撮影シーン、未公開シーンを加え、CG修正を施した本編を収録してある「特別編」です。通常の劇場公開版には下のリンクから入ってください。

 

バトル・ロワイアル

西暦一九九七年、東洋の全体主義国家、大東亜共和国。城岩中学三年B組の七原秋也ら四十二人は、修学旅行バスごと無人の島へと拉致され、政府主催の殺人実験を強制される。生還できるのはたった一人。そのためにはただクラスメイト全員を殺害するのみ―。現代日本を震撼させたジェットコースターデスゲーム・ノヴェル、ついに文庫化。( 上巻 : 「BOOK」データベースより )

“死のゲーム”の開始後十八時間、混乱のうちに既にクラスメイトの半数が死亡していた。秋也は中川典子、転校生の川田章吾とともに政府への逆襲を誓うが、その前に殺人マシンと化した桐山和雄が立ちはだかる。生死の狭間で彼らそれぞれが守ったのは、意志か、誇りか、約束か。中高生を中心に熱狂的な支持を得た新世代青春小説の金字塔。( 下巻 : 「BOOK」データベースより )

 

中学生同士の殺し合いというセンセーショナルな内容で話題になった、長編の新世代の青春小説(?)です。

 

極東に存在する「大東亜共和国」という全体主義国家が舞台です。

七原秋也ら本書の登場人物たちは修学旅行のバスの中で眠らされ、とある島で目覚めます。そこで、最後の一人になり生き残るべくクラスメイトを殺さなければならず、生徒の数だけの人間ドラマが展開されます。

 

中学生同士の殺し合いという内容が内容である上に、深作欣二監督による映画化で話題になった小説です。

設定された国家制度そのものは少々現実感が無く、感情移入がしにくいとは感じました。この世界の状況設定をもう少し書き込んでくれていたらとも思ったものですが、背景説明が冗長になっても物語本体のゲーム性が失われそうだし、難しいところなのでしょう。

 

物語の内容自体は少々長いきらいはあり、登場人物が中学生であるために筋立てが少々無理と感じるところもあったりと、小説としての完成度は決して評価できません。しかし、結構面白く読みました。最後のオチもその荒さに目をつむればまあ許せる範囲内ではないでしょうか。

でも、何といっても中学生のクラスメイト同士の殺し合いという設定そのものを受け入れられない人が少なからず居るのと思われますし、そう感じるのが当たり前でしょう。

私は虚構は虚構として、映像でもスプラッターでさえ(あまりグロくさえなければ)受け入れる人間なので、物語自体が面白いかどうか、だけが問題なのです。この設定そのものを面白いと感じる感情こそが問題なのかも知れませんが。

 

本書での救い、と言っていのかどうかは分かりませんが、性描写がないことでしょうか。大人向けの漫画版ではこのエロの要素が増えているそうです。