ラグビー観戦で覚えるべきルールは3つだけ。
あとは審判の“手”に注目していればだいたいわかる。
ゲームの流れを理解しちょっとした観方を知るだけで、
80分間はきっと映画より楽しい時間になるだろう。
日本代表として活躍し(2007年のワールドカップで奇跡の同点ゴールを決めたレジェンド)、
現在はわかりやすい解説が評判の大西将太郎氏による、あたらしいラグビー観戦ガイド。
初心者はギモンがスッキリ、コアファンも目からウロコの視点が満載。
この1冊で日本開催のワールドカップ観戦準備は万端だ!(「内容紹介」より)
本書はもとラグビー日本代表の大西将太郎氏が、わかりにくいというラグビーのルールを初心者にも理解できるように解説した本です。
競技場やテレビ桟敷でのラグビーの試合観戦がこれまで以上に楽しくなること間違いなしの本であり、簡単に読み終えることができますので、是非読んでほしい一冊です。
本書は家人のために借りてきた本でしたが、ラグビー経験者の私もそれなりの面白さをもって読むことができました。経験者とはいってもほんの入り口に立っただけの人間にはそれなりに読みごたえがあったのです。
もうすぐラグビーワールドカップ2019も終わりを迎えようとしています。
わが日本代表は決勝トーナメントへと進みましたが、残念ながら南アフリカの強靭な壁を破ることはできず、試合をさせてもらえませんでした。
しかしながら、今回の日本代表の魂のこもった戦いぶりは私たちの心に深く刻まれ、決して忘れ去られることはないでしょう。
ただ、皆が言うように日本ラグビーにとってはこれからが正念場であり、このラグビー人気を一過性のものにしてはいけません。
そうした考えのもと、ラグビーのプロ化の話もあり、日本ラグビー協会の清宮副会長は、2021年からスタートする「新リーグ構想」をぶち上げたそうです。トップ選手の年俸は一億円を超えたいとの発言もあったと言います。
たくさんの人たちがラグビーの普及に情熱を燃やしています。
本書の著者である大西将太郎氏もその一人であり、上記の清宮福会長の言葉も本書の最後に書いてあったものです。
本書は、ラグビーは素人のライターの福田という人物を相手に説明するという形式で、非常にわかりやすく書いてあります。
タイトルには「ラグビーは3つのルールで熱狂できる」と極端と思えそうな言葉を書いてあります。「スローフォワード」「ノックオン」「オフサイド」の三つが分かればいいというのです。
「スローフォワード」とは、ボールを前に投げてはいけない、
「ノックオン」とは、ボールを前方に落としてはいけない、
「オフサイド」とは、ボールより前にいる人はプレーできない、ということです。
この三つの基本を押さえておけばあとは流れを理解すればいいと書いてあります。
ラグビーはボールを相手陣内へ運ぶことを目指す単純なスポーツです。
そして、ボールを前に投げてはならず、ボールより前でプレイしてはならない、という大前提があります。その大前提のもとに、ボールを前に落とすことも駄目で、上記の三つのルールが基本になるのです。
他のメンバーにボールを渡すには、真横、もしくは後ろへ投げるしかキックすることしかできず、そのボール運びをストップさせるためにタックルすることになります。そこにラグビーの醍醐味が生まれます。
そうした基本の中で、上記の三つの点さえ覚えておけば、細かなルールはわからなくても十分に試合を楽しむことはできます。後の細かなルールは試合をみて、解説を聞いておけば自然に覚えてしまいます。
細かなルールの多くは上記の三つのルールから派生したものであるし、他は危険防止の観点から定められたルールです。
極端なことを言うと、ラグビー経験者であっても細かなルールはわからず、試合を見ていくなかで覚えています。
というのも、ラグビーのルールは常に変化しているのです。
本書はラグビーに関しての細かなエピソードを挟みながら、上記の三つのルールをもとに結果的に難しいと言われる細かなルールも説明してあります。
本書の一番の見どころは、試合の流れ、高度なプレイ判断など、ちょっとラグビーをかじったくらいの経験者でも意外に思うほどの情報を盛り込んであるところです。
それは、トッププレーヤーだけが見ることができる世界であり、知識だと思われます。
そうした試合の全体を俯瞰してみるべきポイントを解説してあるところが素晴らしいと思うのです。
今後のラグビーの発展を願いながらもラグビーのすそ野を広げようとされている著者らの意気込みもまた伝わってきます。
ラグビーワールドカップ2019ももうすぐ終わろうとしていますが、今後ラグビーの試合を楽しむためにも、軽く読める本書はおすすめです。
ラグビーに関する小説などの情報は下記にまとめてあります。よかったら眺めてみてください。