ホビット 決戦のゆくえ

ホビット族のビルボ・バギンズは、ドワーフやエルフたち仲間とともに、壮大な戦いのど真ん中へ。試される友情と絆、そして戦いの先には感動のラストが…。「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズへと繋がる壮大な物語「ホビット」シリーズ完結編。(「Oricon」データベースより)

ホビット 竜に奪われた王国

「ロード・オブ・ザ・リング」3部作の監督が贈る、アクション・ファンタジー大作。森で遭遇した獰猛な巨大グモとの戦い、激流を下りながらのオークとの死闘、そして目覚める邪悪な竜<スマウグ>。竜から王国を取り戻すための壮絶な戦いが遂に始まる!(「Oricon」データベースより)

ホビット 思いがけない冒険

ホビット族のビルボ・バギンズはある日突然魔法使いガンダルフに誘われ、恐るべきドラゴンに奪われたドワーフ王国を取り戻す為、危険な冒険へと旅立つ…。伝説的シリーズ“ロード・オブ・ザ・リング”の感動再び!圧倒的な映像美で魅せるスリリングなアクションと壮大なファンタジー映画の傑作!(「Oricon」データベースより)

映画版の指輪物語の世界観をそのままに、同じくピーター・ジャクソン監督の手になる三部作の第一作目です。

原作自体が子供向けに書かれたものであり、「指輪物語」ほどの壮大な世界観のもとに書かれたものではないらしいため、今一つの感じがありましたが、映画版も同様でした。金をかけたアクション映画の上級版に過ぎないのです。DVDで見た後、映画館で見ようという気にまではなりませんでした。

この後、2部、3部とまだ見ていませんが、より「指輪物語」の世界観に近づくでしょうし、そうなることを期待しています。

ホビットの冒険

「指輪物語」の前日譚です。「指輪物語」の主人公フロドの養父ビルボ・バギンズ(実際はフロドはビルボのいとこの子らしい)を主人公とした物語です。

邪竜スマウグに奪われた財宝を取り戻すために、十三人のドワーフ達と魔法使いガンダルフがビルボ・バギンズの屋敷にやってきたところから物語は始まります。この旅の中でビルボはゴクリ(ゴラム若しくはスメアゴル)の持っていた指輪を手に入れ、その指輪が本作品でも活躍しますが、後の指輪物語へとつながるのです。

「指輪物語」には冥王サウロンという「悪」の明確なシンボルがあったのですが、本作品ではその役割を邪悪なドラゴンが担っていることもあってか、「指輪物語」程の壮大な物語というわけではありません。そもそも本作品は子供向けに書かれたものであり、その好評を受けて「指輪物語」が書かれたのですから、物語としての成熟の違いも仕方のないことなのでしょう。とはいえ、ファンタジーとしては十二分に面白い物語です。

上記写真やリンクには岩波書店版「ホビットの冒険」を載せていますが、他に同じ物語で原書房版「新版 ホビット: ゆきてかえりし物語 第四版・注釈版」(右掲)があります。岩波書店版は「指輪物語」を訳された瀬田貞二氏の訳なので、「指輪物語」との訳語の統一性等を重視するならば岩波書店版が良いということになります。しかし、注釈は原書房版の方が充実しており、より大人向けの本になっていると言えそうです。トールキンの作品はトールキンの創造した神話体系の中に位置づけられますので、注釈で神話での位置付けなどの情報を得るのも読み方の一つではないでしょうか。ただ、この注釈の分量が殆ど本の三分の一近くにもなりますので、その点は注意を要します。私はこの注釈の部分の大半は読み飛ばしてしまいました。

ロード・オブ・ザ・リング / 王の帰還

J.R.Rトールキン原作によるファンタジー小説の金字塔「指輪物語」を、ピーター・ジャクソン監督が壮大なスケールで映画化した3部作の第3弾。指輪を捨てるため、滅びの山を目指すフロドとサム。ヘルム峡谷でサルマンの軍に打ち勝ったアラゴルンら4人は、アイゼンガルドでメリー、ピピンと喜びの再会を果たす。しかし、サウロンは人間の国ゴンドールを滅ぼそうとしていた…。(「Oricon」データベースより)

前2作の面白さをそのまま引き継いだ最終章です。この世界観、映像美は素晴らしく、アカデミー賞の作品賞を始めとして11部門を受賞しました。

一度はDVDで見ていたのですが、やはり映画館の大画面及び音響で見たい気持ちを抑えられず、一週間ごとの三作連続したロード・オブ・ザ・リングの再上映特集の時に映画館に行きました。やはり、こうしたスペクタクル映画は映画館で見るべきだと改めて思ったものです。

再度書きますが、販売されているDVD、ブルーレイ共にコレクターズエディションやエクステンデッド・エディションとバージョンが異なります。収録されている本編時間が違いますし、特典映像も夫々に異なるのです。出来れば劇場版よりも本篇が三十分以上も長いエクステンデッド・エディションをお勧めします。

ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔

J.R.Rトールキン原作によるファンタジー小説の金字塔「指輪物語」を、ピーター・ジャクソン監督が壮大なスケールで映画化した3部作の第2弾。“指輪”を葬る旅に出発したフロドたちは、追っ手から逃れる途中で3つに分かれてしまう。指輪を携えて荒野を進むフロドとサム。旅の仲間それぞれが各々の運命と使命を感じながら、やがて彼らは壮絶な戦いへと身を投じていく…。(「Oricon」データベースより)

第一作目の面白さをそのまま引き継いで、同様の映画の質を保った作品です。

そこでも書いたように、販売されているDVD、ブルーレイ共にコレクターズエディションやエクステンデッド・エディションとバージョンが異なります。収録されている本編時間が違いますし、特典映像も夫々に異なるのです。出来れば劇場版よりも本篇が三十分以上も長いエクステンデッド・エディションをお勧めします。

ロード・オブ・ザ・リング [映画]

21世紀、映画史に新たなる伝説が誕生した。スケール、ロケーション、映像、ドラマ、すべてにおいて期待を遥かに超えた偉大なる映画「ロード・オブ・ザ・リング」。J.R.Rトールキン原作によるファンタジー小説の金字塔「指輪物語」を、ピーター・ジャクソン監督が壮大なスケールで映画化した作品。世界を滅ぼす魔力を秘めた1つの指輪をめぐる、選ばれし9人の勇者と悪の勢力との壮絶な戦いを描く。(「Oricon」データベースより)

「旅の仲間」「二つの塔」「王の帰還」の三部作の第一作目です。

原作がある物語を映画化すると大体において別物若しくは劣化してしまうものですが、本作は原作の雰囲気を残したままの映画化に成功している珍しい例でしょう。勿論、原作そのままではありませんが、映画は映画として、原作のストーリー、雰囲気を再現しつつ独自の世界を作り上げていて、それが見事に成功していると思います。

ただ、販売されているDVD、ブルーレイ共にコレクターズエディションやエクステンデッド・エディションとバージョンが異なります。収録されている本編時間が違いますし、特典映像も夫々に異なるのです。出来れば劇場版よりも本篇が三十分以上も長いエクステンデッド・エディションをお勧めします。物語上の重要なシーンなどが劇場版ではカットされているのです。ただ、上の写真にもリンクしている「スペシャル・エクステンデッド・エディション トリロジーBOX セット」は三万円近くもしますので、特典映像を要らないという方は三部作を個別に買われるという手もあります。

新版 指輪物語

この物語はジャンルを考慮せずに、今まで私が読んだ全ての物語の中でも最も好きな物語の中のひとつです。

冥王サウロンが作った指輪を処分をするために旅ででる。ただそれだけのお話なのですが、この指輪を処分しに行くという物語に、以降の全てのファンタジーに影響を与えたと言っても過言ではない、胸躍らせる物語のエッセンスが全て入っています。

もともとSF等の現実離れした物語が好きだった、ということもあるのでしょう。物語のかなめとなる指輪は、世界を手に入れる力を得ることは出来るが逆に指輪の魔力に捉われる危険性が高い、という代物です。この指輪を存在させる世界観が、エルフの言葉まで作り上げてしまう程に緻密に、そして破綻が無く構築されています。また、旅の仲間の中心となる四人のホビット達のみならず、そのホビットを助ける人間や魔法使い、エルフ、ドワーフ、更には敵役となるサウロンや重要なキーを握るゴラム(スメアゴル)など、登場人物の造形がよくできているのです。随所に挟まれるホビットの歌にしてもしかりで、読み手の心を捕まえて離さない物語です。

著者のトールキンはオックスフォードの言語学者であり、デンマークを舞台とする英雄譚である「ベーオウルフ」研究の第一人者でもあるそうで、ケルト神話、北欧神話にも精通していると言いますから、そうした物語の要素が「指輪物語」として結実していると言えるのでしょう

でも、読み手としてはそうした作者の背景よりも作品自体が問題なのですが、その作品が前述のとおり素晴らしいのです。この壮大な物語は三部作として映画化もされ、好評を博しました。

法螺話が嫌いだとか、ハードボイルド作品や時代小説しか受け付けない、とかいう人には受け入れられないかもしれませんが、そうでない限りは少々長い物語ですが本を置くことが出来なくなると思います。それほどのおすすめの本です。

蛇足ながら、私のこの作品に対する熱などは大したものではなく、本当に好きな人は中つ国の歴史を調べ挙げて、後記の遺稿集なども全て隅から隅まで読んでおられるようです。

新版 指輪物語 (文庫版 全10巻)

  1. 旅の仲間 4巻
  2. 二つの塔 3巻
  3. 王の帰還 2巻
  4. 追補編 1巻