青い戦慄 [映画]

復員し自宅に戻ったパイロットは、妻の情事の現場を目撃する。その後妻が射殺死体で発見されたことから彼に容疑がかかり、無実の証明をするため独自の調査を開始するのだが…。ハードボイルド作家のレイモンド・チャンドラー脚本によるサスペンス・ムービー。アラン・ラッド、ベロニカ・レイクほか出演。(「Oricon」データベースより)

レイモンド・チャンドラーの脚本作品です。監督はジョージ・マーシャル。妻の不倫を目撃した主人公が、自分に掛けられた疑惑を晴らすべく探索を開始する物語。1956年公開です。

湖中の女 [映画]

美人編集長の依頼で、出版社の社長夫人の失踪を捜索する私立探偵フィリップ・マーロウを描く。全編に渡り、カメラが終始マーロウの目線で展開する斬新な手法を用いた作品。オードリー・トッター、ロイド・ノーランほか出演。(「Oricon」データベースより)

1947年公開作品です。

三つ数えろ [映画]

ハンフリー・ボガードローレン・バコールハードボイルド小説の巨匠レイモンド・チャンドラーの「大いなる眠り」をハワード・ホークスが映画化。私立探偵フィリップ・マーロウは両肢不 随の老将軍の妹娘で抑欝症気味のカーメンが古本屋アーサー・ガイガーから恐喝状をつきつけられたことについて調査依頼をうけた。 将軍は同時に姉娘ヴィヴィアンの夫リーガンが行方不明になったことも心 配していた。ガイガー家を探りに行ったマーロウはあられもない格好でガ イガーの死体の傍らに佇むカーメンを発見し、家へ送りかえした。彼女はここで秘密写真 を撮られていた。翌日彼は地方検事局のバーニー・オールズから、将軍家の自動車が暴 走して前にカーメンと駈け落ちしかけたことのある運転手テイラーが死んだニ ュースを知らされた。ヴィヴィアンはマーロウの事務所を訪れるうち彼に恋心 を抱くようになった。マーロウは恐喝の張本人がいかさまギャングのジョー であることをつきとめたが、ジョーは彼をガイガー殺しの犯人と思いこんでいるガ イガーの身内に殺された。しかし真犯人は思いがけない人物だった。(Amazon商品説明より)

「大いなる眠り」を原作にハワード・ホークス監督が映画化したサスペンス映画。1955年公開

ブロンドの殺人者 [映画]

1941年のロサンゼルス。私立探偵フィリップ・マーロウは、刑務所から出所したばかりのマロイから別れた女を探してほしいと脅される。しかし、彼女を探し歩くマロイの後から、彼女を知っていた人間が次々に殺される事件が起きる…。チャンドラーのハードボイルド小説をドミトリクがその特異な画面構成と切れ味鋭いタッチで作り上げたこの作品は、ヨーロッパを中心に高く評価され、フィルム・ノワールを代表する1本となった。(「Oricon」データベースより)

「さらば愛しき女よ」を原作とする、1988年公開作品。

ロング・グッドバイ DVD-BOX

レイモンド・チャンドラー原作のハードボイルド小説を浅野忠信主演でドラマ化したBOX。私立探偵・増沢の事務所に、数ヵ月前に知り合った保という男が血まみれで現れる。台湾に逃亡するという彼を車に乗せ、港まで送る増沢だったが…。全5話を収録。(「キネマ旬報社」データベースより)

舞台をひと昔前の日本に置き換え、原作の雰囲気を出そうとしている努力は感じられる作りでした。そして、その試みはあまり成功しているとは思えませんでした。

また、最も描かれるべきと考える浅野忠信の増沢と綾野剛の原田保との関係性が今一つだったように思います。綾野剛という役者さんを、私個人としてはあまり評価していないということもあるのかもしれません。

しかし、浅野忠信の増沢=マーロウは素晴らしかったと思います。

ロング・グッドバイ [映画]

ロバート・アルトマン監督がレイモンド・チャンドラーの原作を映画化した異色ハードボイルド。殺人を犯した友人の逃亡の手助けをしていると疑われた私立探偵・マーローが、事件の真相を追う。エリオット・グールド主演。(「キネマ旬報社」データベースより)

公開当時原作ファンからは不評だったらしいです。1974年公開。

ロング・グッドバイ

「長いお別れ」。今回、村上春樹氏の新訳が出ているということで、20代に読んでいる筈のこの本を再読しました。

やはり面白い小説ではありました。ただ、情景描写が緻密に過ぎ、登場人物の台詞回し、特に主人公のフィリップ・マーロウの台詞の内容が少々冗長に感じられ、更にしゃべりすぎではないかと感じてしまいました。

しかし、これらの不満こそ逆にチャンドラーの特徴と言えるのかもしれません。極端にまで心理描写を排し、客観的に記すことでリアリティーを追求する、その文体こそハードボイルドと称される手法の特徴らしいのですから。

20代に読んだときはそのようなことは思わずに、あのハンフリー・ボガードのようなイメージでマーロウを読み、惹かれた筈なのです。近年は軽く楽しく読めるいわゆる軽い小説を中心に読んでいたので、この本のように濃密に書き込まれていると疲れるのかもしれません。

ただ、村上春樹の「訳者あとがき」に、『「できることなら完全な翻訳を読みたい」と考えるか、あるいは「多少削ってあっても愉しく読めればいい」と考えるかは、ひとえに個々の読者の選択にまかされている。』という文章があるところをみると、私の感想もあながち外れてはいないのかもしれないと思ってしまいました。この点は、「多少削って」あるから読みやすいと感じるのか、もう一度かつての清水俊二氏の訳したものを読んでみるしかないのでしょう。

とはいえ、この作品を読み終えてあらためて思うことは、多少の不満はありながらも、やはり名作と言われるものはそれだけの価値がある、ということです。二転三転する筋立てと、主人公の台詞回しには結局引き込まれてしまうのです。

更に言えば、雑感にも書いたように、この本はじっくりと一行一行を味わいながら読み込むということが要求されるのでしょう。村上春樹によれば、私が冗長に感じた点もまた作品の雰囲気作りに貢献しているのであり、一見無関係そうに見えてもその個所を読むのがまた楽しいそうなのですから。