横溝 正史 雑感
20歳代後半、務めていた事務所に推理小説が好きな人がいて片端から文庫本を購入してきていました。その中に横溝正史もあったのです。
当初読んでいた本は「真珠郎」や「蔵の中」といった短編若しくは中編の作品群でした。これらの作品は耽美的でどことなく退廃的な匂いのする物語で、これらの作品こそ横溝正史の本質だと今でも思っています。殆どの本は絶版なので興味のある方は古書や図書館で読んでみてください。
その後、「本陣殺人事件」や「八つ墓村」等の探偵役に金田一耕助を据えたシリーズが面白く、長短編の殆ど全作品を読んだと思います。その後角川映画による一大ブームが巻き起こりました。
横溝作品はいわゆる本格派の推理小説に分類されると思いますが、そのタイトルからしてオカルトチックな雰囲気を持っています。中身も耽美的な文章で猟奇的な殺人方法が語られたりしているのですが、単に謎解きの醍醐味に加えて物語の面白さがあったと思います。
私は謎解き自体にはそれほど興味は無く、物語として楽しんでいたのですが、横溝正史作品はそんな私でも十分楽しめる作品でした。
本格派の推理小説が好みの方こそ読んでもらいたい小説です。
以下にあげる作品はあくまで参考です。「真珠郎」や「蔵の中」といったかつて読んだ作品は今では良く覚えていないので紹介できないのです。ただ、それらの作品は少し怪奇風味の味付けがなされた物語と思ってもらえればいいかと思います。
[投稿日] 2015年04月22日 [最終更新日] 2015年5月25日