犯人に告ぐ [DVD]

雫井脩介のベストセラー小説を豊川悦司主演で映画化!心に傷を負った刑事と姿なき殺人犯の緊迫の心理戦を描く本格サスペンス。川崎で起きた連続児童殺人事件。〈BADMAN〉と名乗りテレビに脅迫状を送りつけた犯人は3件目の犯行後、表舞台から姿を消す。膠着した警察は捜査責任者をテレビに出演させる大胆な“劇場型捜査”を決断する。担ぎ出されたのは過去に犯人を取り逃がし失脚した男・巻島。彼は犯人を挑発するが…。(「Oricon」データベースより)

 

もともと豊川悦司という役者さんが好きだったのです。この人が出ているだけで、その映画の面白さは保証されている役者さんの一人だと思っています。

この映画も大当たりとまでいかなくても、はずれではありませんでした。

クローズド・ノート

堀井香恵は、文具店でのアルバイトと音楽サークルの活動に勤しむ、ごく普通の大学生だ。友人との関係も良好、アルバイトにもやりがいを感じてはいるが、何か物足りない思いを抱えたまま日々を過ごしている。そんななか、自室のクローゼットで、前の住人が置き忘れたと思しきノートを見つける。興味本位でそのノートを手にする香恵。閉じられたノートが開かれたとき、彼女の平凡な日常は大きく変わりはじめるのだった―。(「BOOK」データベースより)

 

長編の恋愛小説です。

 

文章がいい。

映画化され、その解説などを読んでいると普通のお涙頂戴のラブストーリーだと思っていたので原作を読むつもりは全くなかったのだけれど、図書館でちょうど目の前にあったので、作者が「犯人に告ぐ」の人でもあったこともあり、つい借りてしまったのです。

読み始めるとさすがに面白い。テンポのいい文章に引き込まれついつい一気に読んでしまいました。

物語の流れは読み始め近くで予想がつくのだけれど、筆の力とテンポで引っ張られてしまいました。

最後がちょっとご都合主義的な感じが無きにしも非ずですが、それはまあご愛嬌ということで・・・。

 

引っ越した先のクローゼットに置き忘れられた一冊の日記。その中で息づく一人の女性とその女性に対する主人公の女性の想い、この作家のうまさが全面に展開されていると感じました。

単なる恋愛小説と思っていたので借りてみて良かったです。でもこの本は良かったけど、他の恋愛小説は多分読まないでしょうね。

とはいいながらも、やはり私は苦手、とつぶやきながら、第159回直木賞の候補作となった窪美澄の『じっと手を見る』や、2018年本屋大賞候補作の知念実希人の『崩れる脳を抱きしめて』などの恋愛小説にも手を出している私です。

 

 

なお、この作品は、監督は行定勲、ヒロインに沢尻エリカ、ノートを書いた教師に竹内結子というキャストで映画化されました。

 

犯人に告ぐ

犯人=“バットマン”を名乗る手紙が、捜査本部に届き始めた。巻島史彦は捜査責任者としてニュース番組に定期的に出演し、犯人に「もっと話を聞かせて欲しい」と呼びかけ続ける。その殺人犯寄りの姿勢に、世間および警察内部からも非難の声が上がり、いつしか巻島は孤独な戦いを強いられていた―。犯人に“勝利宣言”するクライマックスは圧巻。「普段ミステリーや警察小説を読まない人をも虜にする」と絶賛された、世紀の快作。(「BOOK」データベースより)

 

ユニークな設定で話題になった、長編のミステリー小説です。

 

この作家を取り上げる以上まずは「犯人に告ぐ」を取り上げないわけにはいかないでしょう。それほどに面白い。

誘拐事件で一度ミスを犯し被害者の子供の命まで失ってしまうという大失態を犯している主人公が、再び誘拐事件にかりだされます。その捜査が実にユニークで、マスコミを通じて犯人に語りかけるというものでした。

この主人公が結構短気で場所をも考えずに切れてしまったり、実に人間的で、すぐに主人公に感情移入してしまいます。

主人公、主人公が属する警察という組織、警察が利用しようとするマスコミ、そして主人公の上司とニュースキャスターの女性等々の思惑が絡み合い、事件は終結へ進みます。