ススキノ探偵シリーズ

 

この作家のメインのシリーズと言っても良いのではないでしょうか。それほどに、主人公の設定がいい。決してタフではなく、スタイリッシュでもない。携帯電話は使わなかったり、シャワートイレで無ければ用を足せなかったり、妙なこだわりを持った男です。

主人公が能天気だけど愛すべき男であり、その主人公を取り巻く登場人物がまた魅力的です。空手の達人で後に主人公の腕力担当とも言えそうな高田、主人公の喧嘩相手であったやくざの組長桐原、その右腕の相田等々きりがありません。

主人公の饒舌さも魅力の一つでしょう。ロバート・B・パーカーのスペンサーのように軽口ばかり叩いています。そういえば、スペンサーにはホークというこわもての相棒がいますが、「俺」にも高田という空手の達人がいます。

主人公の名前は明かされていません。他のシリーズに出てくるときは「便利屋」と呼ばれています

 

蛇足ですが、名前を明かしていない探偵といえば、ビル・プロンジーニ「名無しの探偵」がおり、日本では三好徹の「天使」シリーズ(下掲イメージはKindle版)の主人公がいます。

 

 

また、本『ススキノ探偵シリーズ』は映画化されており、現時点(2018年10月)で「探偵はBARにいる3」まで三作品が作成されています。映画版もそれだけ人気があるということでしょう。