一時期ブームとなった「陰陽師」のきっかけとなった作品です。
個人的にはこの作者の作品の中ではランクは高くはありません。
同じ系統であれば、「闇狩り師」に軍配を上げます。しかし、一般的にはこちらの「陰陽師」シリーズの方が人気があるようなので取り上げました。
妖魔封じを稼業とする、仙道と中国拳法の使い手である九十九乱蔵を主人公とする伝奇小説で、『キマイラ・吼』シリーズに登場する九十九三蔵は乱蔵の実弟です。
本書は、闇にうごめく妖怪(あやかし)達と陰陽師安倍晴明との戦いの物語です。
ただ、戦いと言いきるには語弊があるようです。平安時代、日々の生活は闇と共にあり、その闇には妖怪が住まっていたのです。妖怪とは即ち人間の怨みや妬みであり、結局は人間そのものなのです。安倍晴明はそのような恨みを持つ妖怪、人間との対話を通して怨みを解き放つのです。
陰陽師シリーズ(2015年04月01日現在)
- 陰陽師
- 陰陽師 飛天ノ巻
- 陰陽師 付喪神ノ巻
- 陰陽師 生成り姫
- 陰陽師 鳳凰ノ巻
- 陰陽師 龍笛ノ巻
- 陰陽師 太極ノ巻
- 陰陽師 瀧夜叉姫(上)
- 陰陽師 瀧夜叉姫(下)
- 陰陽師 夜光杯ノ巻
- 陰陽師 天鼓ノ巻
- 陰陽師 醍醐ノ巻
- 陰陽師 酔月ノ巻
- 陰陽師 蒼猴ノ巻
- 陰陽師 螢火ノ巻