『きみのお金は誰のため』とは
本書『きみのお金は誰のため』は、2023年10月に東洋経済新報社から250頁のソフトカバーで刊行された、青春「お金」小説です。
経済について分かりやすい解説をしてある本と思って借りたのですが、その内容はあまりに抽象的で理解しがたい作品でした。
『きみのお金は誰のため』の簡単なあらすじ
お金自体には価値がない、お金で解決できる問題はない、みんなでお金を貯めても意味がない。3つの謎を解いたとき、世界の見え方が変わった。大人も子どもも知っておきたい経済教養小説!学校では教えてくれない「お金と社会の本質」がわかる!(「BOOK」データベースより)
『きみのお金は誰のため』の感想
本書『きみのお金は誰のため』は、経済のことがよく分からない自分のために入門書的な解説書、という思惑で借りた作品でした。
ところが、実際借りてみると本書は実用書ではなくて小説形式の作品だったのです。
目的は経済について理解が進めばそれが小説であろうが実用書であろうがその形式は何の問題はないので、とりあえずは読んでみました。
作品自体は実に読みやすく、それほど時間もかけずに読み終えることができました。
しかしながら、端的に言えばその内容が抽象的に過ぎ、決して私の理解が深まったとは言い難い内容でした。
Amazonなどで見られる本書の推薦文などを見ると、『現代の「お金の不安や疑問」を物語で楽しく解説』などとありいかにもお金の働きについての理解が深まるように感じられます。
ただ、ほかの推薦文を読む読むと、「お金の奴隷にならない』ための本であるとか、「お金に振り回されないための本」などの文言が目につきます。
つまり、経済についての解説ではなく、タイトルそのままに「お金」についての作品だったのです。「お金」至上主義に走らずに「お金」が動くことの意味、などについて教えてくれる作品でした。
その意味ではすごくいい作品だと思います。しかし、言われていることはその目次、例えば「第一章 お金の謎1 お金自体には価値がない」などという文言からも分かるように、「お金」の意味についての本でした。
つまりは、お金に自体の意味やお金が動くことの意味、その裏には社会があり、人間がいることを教えてくれているのです。
そして、お金そのものの存在する意味などを身近なたとえ話で教えてくれています。
ただ、対象が「お金」の話だからか、全体的に話しが抽象的で私個人はすんなり理解できた、とまではいきませんでした。
私が経済関係の実用書との思い込みで読み始めた作品であるため、まったくの私の主観的な評価になってしまっています。
でも、本書『きみのお金は誰のため』が「お金」についての精神的な指導書だったという理解はそう外れているとも思えません。
そして、本書は『読者が選ぶビジネス書グランプリ2024 総合グランプリ「第1位」受賞!』などの文言が並ぶほどに理解しやすい作品という評価のようです。
ただ、私が個人的に理解できにくいと思っただけのようでした。