『警視庁心理捜査官シリーズ』とは
本『警視庁心理捜査官シリーズ』は「心理捜査官」という職種の女性警察官を主人公に据えた、新しいジャンルの警察小説です。
主人公も、また脇を支える女性上司のキャラクターも立っていて、なかなかに読みがいのあるシリーズだと思います。
『警視庁心理捜査官シリーズ』の作品
警視庁心理捜査官シリーズ(2026年07月26日現在)
- 警視庁心理捜査官 純粋なる殺人
- マインド・チェンバー 警視庁心理捜査官
『警視庁心理捜査官シリーズ』について
本『警視庁心理捜査官シリーズ』は、「心理捜査官」の女性警察官を主人公に据えたシリーズであり、登場人物のキャラクターもン魅力的であって、読み応えのあるシリーズでした。
「心理捜査官」というのは、プロファイリングをを犯罪捜査に生かすことを期待された存在です。
ここで「プロファイリング」とは「犯罪者プロファイリング」のことであり( ウィキペディア : 参照 )、また「犯行現場の状況、犯行の手段、被害者等に関する情報や資料を、統計データや心理学的手法等を用いて分析・評価することにより、犯行の連続性の推定や次回の犯行の予測、犯人の年齢層、生活様式、職業、前歴、居住地等の推定を行うものである。」と、平成16年警察白書の「プロファイリング」の項目に書いてありました。
現実には「心理捜査官」という職種は日本の警察には存在してはいないそうですが、2009年に犯罪の広域化や電子化に対応した即応部隊として警視庁刑事部に設置された「警視庁刑事部捜査支援分析センター」にプロファイリングを主とする「情報捜査支援」が期待されているとありました( ウィキペディア : 参照 )。
本『警視庁心理捜査官シリーズ』では、過去に性犯罪の被害者となった経験を持つ女性を主人公とした「心理捜査官」が主人公として設定されています。
一方で、それまでの男社会であった捜査一課の刑事たちをそのままに配置し、主人公に対置させています。
「藤森紗英(ふじもり さえ)」は、今野敏の警察小説「警部補・碓氷弘一」シリーズに登場する架空のキャラクター(警察庁の心理調査官)です。
長沢樹著『ダークナンバー』は、プロファイラーとテレビマンの二人の活躍を描く、新刊書で378頁の長編の警察小説です。警察の捜査と報道の調査とを詳細に、そしてリアルに描き出した本作は、読みにくさもありましたが、途中からはかなり面白く読みました。
その主人公は幼い頃に性犯罪の被害にあったことのある27歳の吉村爽子■という警視庁捜査一課第二特殊犯捜査四係所属心理応用特別捜査官である巡査部長です。
身長は157㎝、小顔の童顔のとても警察官とは思えない見た目の女性です。
そんな彼女の言葉を頭から否定するのが という刑事でありセクハラ、モラハラの日々を送ることになります。他方、上司も彼女の言葉に重きを置くことはありません。
ただ、そんな彼女の味方になってくれるのが第一巻『』で組んだ相棒の藤島直人巡査長であり、爽子はほのかな恋心を抱きます。
また、柳原明日香警部という強烈なキャラクターの持ち主が設定されていて、ある意味主人公以上の存在感を放ち、事実、彼女を主役としたスピンオフ作品も登場しています。
元公安というその経歴を持った彼女は、男優位の社会でもそこらの男どもが何を言ってもかないません。そんな上司に守られている爽子だったのです。
作者黒崎視音のデビュー作でもあり第一弾の『』が文庫本で上下二巻にわたる長編であったのに対し、第二弾の『』はショートと言ってもよさそうな短編集です。
そして、第三弾の『』は二本の短編と書下ろしの中編というよりはもう長編ともいえる一編が収められています。
先に述べた柳原明日香警部を主人公にした作品も本シリーズに含めるのであれば、全部で 作となるこのシリーズです。
この後続編が書かれるのか分かりませんが、その日を期待したいと思います。