木内 一裕

イラスト1
Pocket

文庫

講談社

写真は Amazon にリンクしています。

楽天Booksは 楽天Books へ。


ひと昔前、と言っても私が子供の頃ですから半世紀ほど前の時代なら子供まで知っていた森の石松の物語です。

本書は活字に古い書体の漢字を使ってあり、それに丁寧にルビを振ってあります。当初はそれが少々わずらわしく感じたのですが、読み進むにつれ邪魔な感じは無くなってしまいました。講談調を目論んだであろう著者の狙いにはまったのでしょう。

これまで見聞きした森の石松、黒駒の勝蔵、武居の吃安といった連中が漢(おとこ)として生き生きと活躍しているではないですか。かつて東映の股旅ものの映画などで清水の次郎長等が描かれ、そこでは黒駒の勝蔵、武居の吃安は敵役に過ぎませんでした。それが、それなりの貫禄のある男として描写されています。

それらの男の前で石松もまだまだ通り一遍の悪ガキでしかありません。その悪ガキがこれから売り出そうとする黒駒の勝蔵と出会ったり、大親分の武居の吃安に気にいられたり、と一人前になる前の時代が描かれるのです。

この物語は一巻で終わってしまう物語ではないでしょう。もう少し木内版石松を読んでみたい気がします。

[投稿日]2015年04月09日  [最終更新日]2015年4月9日
Pocket

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です