舞台は魔震後の「新宿」であり、『魔界都市〈新宿〉』や『魔界医師メフィスト』と同じ舞台の、伝奇小説です。
その新宿でせんべい屋を営みつつ人探しを業とする、究極の美貌を持つ秋せつらが主人公です。この秋せつらが妖糸を駆使して妖魔達を撃退するのです。
当初は夢枕獏と同じ匂いのする作家が同時に現れたと思い、エロスとバイオレンス満載の彼らの作品を漫画感覚で読んでいたものです。
しかしかながら、最初は少々耽美的に過ぎる、くらいに思っていた菊地秀行の作品群ですが、そのうちに文章の美文調(?)が激しくなってきて、どうにも鼻についてきました。
結局、作家の独りよがりが過ぎると感じるようになり、菊地秀行の作品自体を読まなくなってしまいました。
ちなみに、このシリーズは短編と長編が出版されており、短編はタイトルの初めに魔界都市ブルースと付くそうです。そして、2018年12月現在でも、なおシリーズとして書き継がれていることを久しぶりに調べてみて知りました。