海堂 尊

イラスト1
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文庫

宝島社

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不定愁訴外来の田口公平のもとへ東城大学病院救急救命センター長の速水に対する匿名汚職告発状が届いた。この問題は倫理問題審査委員会にかけられるのだが、同委員会にはオブザーバーとしてロジカル・モンスター白鳥も参加し、更には救命センターでは白鳥の部下である姫宮が新人ナースとしての研修を受けるのだった。

問題児である白鳥の出番が少なく、代わりに姫宮なる女子が登場します。この女性が白鳥に輪をかけており、独特の個性を持っています。

でも、本書の特徴としてはキャラの面白さもさることながら、作品の時系列として2作目「ナイチンゲールの沈黙」と同時進行になっている点がユニークです。

作家が特定の世界を構築し、その中で作品世界を展開することはよくある手法だし、この作品もそうなのだけれど、時間軸が同じという手法は初めて接しました。後で調べてみると、当初は一冊の本として書かれていた原稿を出版社の意向により2冊に分けたのだそうです。しかし、そのおかげと言って良いのか、なかなかにユニークな構成になり、面白さも増したのではないでしょうか。

本作の主要人物であるジェネラル・ルージュたる速水の活躍が小気味良いのです。スーパーヒーローが危機に際しその能力を十分に発揮し、結果としてその判断を誤ることは無い、という物語は読み手にカタルシスをもたらすものです。

ミステリー小説としてはいかがなものかという意見があるようです。しかし、個人的にはミステリーであるかどうかは関係が無く、読んだ時間が楽しかったと思えればいいと思っているので、本書は十分に面白い時間だったと言えます。

[投稿日]2015年04月08日  [最終更新日]2015年4月8日
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