海堂 尊

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講談社

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この世でただ一人しかできない心臓手術のために、モナコには世界中から患者が集ってくる。天才外科医の名前は天城雪彦。カジノの賭け金を治療費として取り立てる放埒な天城を日本に連れ帰るよう、佐伯教授は世良に極秘のミッションを言い渡す。(「BOOK」データベースより)

 

東城大学医学部付属病院の研修医世良雅志は、モナコのモンテカルロ・ハートセンター外科部長の心臓外科医天城雪彦を総合外科学教室に招聘するためにモナコ公国に派遣された。

そこで見た天城雪彦は、金こそ至上としているとしか思えない医者であった。

天城雪彦を日本に連れて帰ってはきたものの、今度は心臓手術専門の病院「スリジエ・ハートセンター」設立を表明する天城雪彦の手伝いを命じられ、東京国際学会での天城雪彦の公開手術の準備に振り回される世良であった。

 

これこそが海堂尊だ、と言える作品だと思います。

根底にヒューマニズムが置かれていて、人の命と、その命を救うための施設にかかる費用との問題を提起されています。その上で事実上の主人公である天城雪彦のスーパーマン的活躍が展開され、エンターテインメント作品として仕上げられているのです。

そして物語の進行役である世良雅志の視点を通して、読者はその世界に入って行き易くなっていると感じられます。

 

個人的には、あのロジカルモンスター白鳥に代表される論理の展開は言葉の遊びに思えてあまり好きではないので、そうした点でもロジックをもてあそぶ展開の無い本書は気楽です。

桜宮サーガとも言われる海堂尊ワールドの一環であることが示される表現も随所に挟まれていて、それもまた物語の世界を広げる役に立っていることはあえて言うまでも無いことなのでしょう。

 

現役の医者である作者ならではの、現場を知る者の強みが如何なく発揮された作品に仕上がっていて面白いです。

[投稿日]2015年04月08日  [最終更新日]2019年2月16日
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