誉田 哲也

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文藝春秋

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信頼と実績の当事務所が超能力でお悩み解決!
超能力が事業認定された日本で、能力も見た目も凸凹な所員たちが、浮気調査や人探しなど悩み解決に奔走。笑いとほろ苦の連作短編集。
ここは、超能力が事業認定された日本。 日暮里駅から徒歩10分のちょっとレトロな雑居ビルの2階に増山超能力師事務所はある。所長の増山率いる、能力も見た目も凸凹な所員たちが、浮気調査や人探しなど悩み解決に奔走。「面倒臭い」が口癖なのに、女にめっぽうモテる所長・増山。 才色兼備で気が強い、元女番長 悦子。エロいことを考えては怒られる見習い脱出の篤志。 見た目は不細工、おなかも弱い健。 制御不能な能力が玉にきず、美形の見習い明美。 超能力より年の功 経理担当の朋江。2017年1月より読売テレビ・日本テレビ系にてドラマ化。主演は、ココリコの田中直樹。(「BOOK」データベースより)

本書は、超能力者が、その能力を生かして「内実は普通の探偵業とあまり変わらない」業務をこなす超能力師事務所の姿を描いた、全七編の連作短編小説集です。どちらかと言えばエンタメ性の強い人間ドラマです。

 

本書は、第一話「初仕事はゴムの味」では、なりたての新人二級超能力師である高原篤志の視点で、第二章は高原篤志の先輩二級超能力師である中井健の視点でと、章ごとに増山事務所の所員それぞれの視点で語られていきます。

今でこそ超能力の存在が世間で認知されているのですが、かつては超能力者たちは「普通の人」からは拒絶され、社会的に排斥されていました。しかし、科学の力で超能力の存在が認められてきた頃、超能力者たちの社会的な地位を守るために「日本超能力師協会」が設立されたのです。

書評家の藤田香織氏は本書を「マイノリティの物語」と評していましたが、社会的に認知された今でもなお、なんらかの壁を感じながら生きている超能力者たち。彼らの過去の物語をはさみながら話は進みます。

 

誉田哲也の描くエンターテインメント小説ですので、謎解きの要素も絡めながら、面白く仕上げられているのですが、『姫川玲子シリーズ』のような上質のミステリーの著者であることを考えると、この作家の作品の中での優先順位はそれほど高くは無いでしょう。とはいえ、シリーズ化されて続編が出るのであれば、勿論読みたいと思う一冊です。

 

 

超能力者を描いた小説と言えば、筒井康隆の『家族八景』から始まる七瀬シリーズがあります。この作品は他人の心を読める火田七瀬の、その能力故の悲哀を描いた名作です。また宮部みゆきの『クロスファイア』は発火能力者の青木淳子のアクション性の強い物語でした。

 

 

一昔前になると、 小松左京の文字通りのタイトル『エスパイ』があります。超能力(エスパー)を持ったスパイなので「エスパイ」です。実に漫画チックだった記憶があります。もう50年程も前の作品です。

 

 

海の向こうの作品では スティーブン・キングの『ファイアスターター』は発火能力者の女の子の物語。発火能力(パイロキネシス)という言葉を作ったのもキングだそうです。 キングには他にも『キャリー』があります。念動能力(テレキネシス)を持つ少女がいじめを受け殺戮に及ぶという物語でした。

 

 

ちなみに、ココリコの田中直樹の主演で、2017年1月から読売テレビ・日本テレビ系でドラマ化されました。

更にはテレビと同じキャストで、「増山超能力師事務所 〜激情版は恋の味〜」というタイトルで映画化されます。ストーリーもオリジナルだそうです。

[投稿日]2015年04月19日  [最終更新日]2018年10月19日
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