馳 星周

イラスト1
Pocket


タイ生まれの日本人、十河将人。彼はバンコクで再会した幼馴染から、中国人の女をシンガポールに連れ出す仕事を引き受ける。法外な報酬に、簡単な仕事。おいしい話の筈だった。だが、その女と接触した途端、何者かの襲撃を受け始める。どうやら女が持つ仏像に秘密が隠されているらしい―。張り巡らされた無数の罠、交錯する愛憎。神の都バンコクで出会った男と女の行き着く果ては。至高のアジアン・ノワール。(「BOOK」データベースより)

 

東南アジアを舞台に繰り広げられる長編の冒険小説です。

 

「雨期の訪れを告げる夕立」のことをマンゴーレインという、と本文中にありました。

本書は、ハードボイルドの定義にもかかわってくるのですが、ハードボイルドというよりも冒険小説と言った方が良いでしょう。

主人公の行動の客観的な描写という点ではそうかもしれませんが、主人公個人に対するこだわりよりも物語性に重きが置かれている感じがするからです。

 

骨太の、読み応えのある作品とは感じるのですが、何故か作品に距離を置いてしまいます。なぜか私の琴線に触れず、この作家の次の作品を読もう、とはなりませんでした。

軽くは読めません。そうではなく、きちんと書き込まれたノワールものが好きな人にはもってこいの作品ではないでしょうか。

[投稿日]2015年04月15日  [最終更新日]2020年1月29日
Pocket

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です