『探偵はバーにいる』とは
本書『探偵はバーにいる』は『ススキノ探偵シリーズ』の第一弾で、1992年5月に早川書房から刊行され、1995年8月にハヤカワ文庫から426頁の文庫として出版された、長編の冒険小説です。
『探偵はバーにいる』の簡単なあらすじ
札幌の歓楽街ススキノで便利屋をなりわいにする「俺」は、いつものようにバーの扉をあけたが…今夜待っていたのは大学の後輩。同棲している彼女が戻ってこないという。どうせ大したことあるまいと思いながら引き受けた相談事は、いつのまにか怪しげな殺人事件に発展して…ヤクザに脅されても見栄をはり、女に騙されても愛想は忘れない。真相を求め「俺」は街を走り回る。面白さがクセになる新感覚ハードボイルド登場。(「BOOK」データベースより)
『探偵はバーにいる』の感想
本書『探偵はバーにいる』は『ススキノ探偵シリーズ』の第一弾の長編のハードボイルド作品です。
最初にこのシリーズの『探偵、暁に走る』を読んだのは良かったのか、悪かったのか。
後輩から恋人探しを頼まれた「俺」は気楽な気持ちで依頼を受ける。どうもその恋人は売春行為を行っていたらしい形跡はあるが、なかなかその姿を現さない。そのうちに子供と言って良いグループから襲われたり、不穏な空気が漂い始めるのだった。
どうしても常連組の顔合わせ的な感じが残りましたが、これはシリーズ第一作目でもありしかたのないところでしょう。
このシリーズで最初に読んだ作品の『探偵、暁に走る』では、台詞回しも軽妙で無駄を感じさせることはなかったのですが、本作ではその軽口が冗長に感じる場面が少なからずありました。
これはやはり、作者の経験の差でしょうか。それとも読み手の問題なのでしょうか。
しかし、最初に本作品を読んでいたのだとしてもやはりこの作者を追いかけて続けて読んだでしょう。それほどに面白い小説です。