ニューヨーク。
少年ジェイクは毎夜同じ夢にうなされていた。
“巨大なタワー”“拳銃使いの戦士”そして“魔術を操る黒衣の男”…ある日、ジェイクは現実世界と夢で見た≪中間世界≫と呼ばれる異界が時空を超えて繋がっている場所を発見する。
中間世界に導かれたジェイクは、そこで拳銃使い<ガンスリンガー>に出会う。
彼は2つの世界のバランスを保つ塔=ダークタワーを守る最後の戦士であり、タワーの破壊を目論む<黒衣の男>を倒すため旅を続けていた。
一方、ジェイクが特殊な能力を秘めた存在であることに気づいた黒衣の男は、その強大なパワーを求め、ジェイクたちの前に立ちはだかる。
いま、ガンスリンガーと黒衣の男が相まみえる! !( Amazon 商品の説明 )
この作品の原作の『ダーク・タワー』の項で、原作の映画化について「この壮大な世界が壊れることが怖い気がします。」と書きましたが、残念ながらその心配は当たってしまいました。
原作の文庫本で全十六冊にもなる『ダーク・タワー』を九十五分という短い時間に収めるということが不可能なのでしょう。
出来上がった映画は全く別の作品でした。
ローランドが黒人が演じていること自体は別に何の問題もありません。
また、本映画版『ダーク・タワー』に出てくる「悪」を代表する“黒衣の男”を演じているマシュー・マコノヒーもそれなりに悪くないと思いました。
ただ、そもそもこの映画の脚本、もしくは演出上表現されている“黒衣の男”は、単にC級のSF映画に出てくる魔法使いでした。
また、その手下もチンピラであったり、造形の下手なクリーチャーに過ぎなかったりと、C級映画以下の出来としか思えませんでした。
原作の持つ、異世界における現実世界との差異、“黒衣の男”の不気味さなどは全くないのです。
残念ながら原作とは全く別物と考えるしかないと思います。