女用心棒のバルサは新ヨゴ国の王子チャグムが川に転落したところへ通りかかり、命を救った。宮殿に連れて行かれたバルサは、妃から「王子を連れて逃げてほしい」と頼まれる。チャグムには精霊の卵が宿ったが、その精霊は悪しき魔物と言われており、帝から暗殺されようとしていると言うのだ。やむなくチャグムを連れて逃亡するバルサ。バルサは闘い、生きる厳しさと身を守る術をチャグムに教えていく。シーズン1DVD-BOX。(「Oricon」データベースより)
綾瀬はるか主演のNHKテレビドラマのDVDBOXです。
面白い小説を探している時に何かのヒントになるかもしれません。
女用心棒のバルサは新ヨゴ国の王子チャグムが川に転落したところへ通りかかり、命を救った。宮殿に連れて行かれたバルサは、妃から「王子を連れて逃げてほしい」と頼まれる。チャグムには精霊の卵が宿ったが、その精霊は悪しき魔物と言われており、帝から暗殺されようとしていると言うのだ。やむなくチャグムを連れて逃亡するバルサ。バルサは闘い、生きる厳しさと身を守る術をチャグムに教えていく。シーズン1DVD-BOX。(「Oricon」データベースより)
綾瀬はるか主演のNHKテレビドラマのDVDBOXです。
崇高な獣“王獣”と心を通わせた少女・エリンが、その類まれな才能ゆえに王国の勢力争いに巻き込まれ、波乱万丈の人生を送ることになり…。『精霊の守り人』の上橋菜穂子による巨編ファンタジー『獣の奏者』を、高いクオリティで定評のあるProduction I.Gとトランス・アーツの制作でTVアニメ化。第1話から第4話までを収録。(「Oricon」データベースより)
DVD12巻。全50話。未見です。
上橋菜穂子×武本糸会が贈る珠玉の本格ファンタジー!!!闘蛇(とうだ)‥‥それは戦闘用の偉大なる獣。王獣(おうじゅう)‥‥それは王の威光を示す神聖な獣。エリンの母は、戦闘用の獣(けもの)である「闘蛇(とうだ)」の世話をする有能な医術師。だが、ある日その闘蛇が全て死んでしまった!母はその責任を問われ、裁きにかけられることになるが‥‥!人を恐怖させ、また、魅了する、神秘的で獰猛な「獣」。その存在に魅せられた少女・エリンの運命がここに廻(まわ)り出す!
母が指笛を吹いた時、彼女の運命が始まったーー!エリンは、獣ノ医術師である母・ソヨンと暮らす好奇心おう盛な十歳の少女。だがある日、母が世話している戦闘用の獣・闘蛇(とうだ)が全て死んでしまった!母はその責任を問われ、裁きにかけられることになるがーー。「精霊の守り人」などで知られる上橋菜穂子の原作を、武本糸会がコミカライズ!手触りと、温かみのある極上ファンタジーがここに!!(Amazon内容紹介より)
シリウスKC 全11巻。未見です。
リョザ神王国。闘蛇村に暮らす少女エリンの幸せな日々は、闘蛇を死なせた罪に問われた母との別れを境に一転する。母の不思議な指笛によって死地を逃れ、蜂飼いのジョウンに救われて九死に一生を得たエリンは、母と同じ獣ノ医術師を目指すが―。苦難に立ち向かう少女の物語が、いまここに幕を開ける。(「BOOK」データベースより)
「決して人に馴れぬ孤高の獣」を飼いならす少女の姿を描いた長編のファンタジー小説です。
緑の瞳を持つ少女エリンは獣ノ医術師である母と共に闘蛇衆たちの村で暮らしていた。
ある日母が世話をしていた闘蛇の中でも特に強い「牙」が死んだ。エリンの母はその責めを負わされ処刑されてしまう。
母と引き離され一人で生きていくことになるエリンだったが、蜂飼いのジョウンに助けられ、共に暮らすこととなるのだった。
この作品も読みごたえのある作品でした。
「守り人シリーズ」でも書いたように、上橋菜穂子の作品は構成がよく練られていて、物語の奥行きが広く安心して読み進むことが出来ます。
大人も子供も上橋菜穂子の紡ぎだす世界に入り易く、読者が主人公の冒険物語に感情移入しやすいので人気があるのではないでしょうか。
本書は本来「闘蛇編」「王獣編」の二巻で終わる予定だったのですが、あまりの要望の多さに「探求編」「完結編」が追加され、さらに外伝を加えて全五巻になったそうです。
ちなみに、上掲の書籍の写真は講談社文庫版にリンクしていますが、各編を二分冊にしている青い鳥文庫版もあります。
この作品は全50話としてアニメ化され、2009年からNHK教育テレビで放送されました。
本シリーズの世界観は、人間が日々暮らしているこの世界(サグ)と、目に見えない精霊の世界(ナユグ)とが重なりあって存在しているというユニークなものです。
また、シリーズ内で物語の主人公となる人物が異なり、タイトルに『守り人』とつく作品は三十歳になる短槍使いのバルサが主人公であり、『旅人』とつく作品はチャグムを主人公としています。
守り人シリーズ(完結)
この物語の世界観は、人間の世界と精霊の世界とが重なった二重構造をしていて、同じ時間と空間に重なって存在しているといいます。
その世界での女用心棒バルサは水の精霊の卵を宿している皇子チャグムを助け(第一巻『精霊の守り人』)、以後二人の物語が始まります。
本『守り人シリーズ』は、人類学者である著者上橋菜穂子が著した児童文学で、野間児童文芸賞新人賞、産経児童出版文化賞他多数の賞を受賞しています。
児童文学とは言いつつも十分大人の鑑賞に耐えうる、安定感のある構成の作品です。ハリーポッターシリーズが幅広く大人に受け入れられたのを思えば良いでしょう。
というより、ハリーポッターシリーズよりはずっと大人向けではないでしょうか。
上橋菜穂子の作品の『獣の奏者』(講談社文庫全四巻)+(外伝一巻)にも言えることですが、個人的には本『守り人シリーズ』は大人向けの物語だと思っています。
ただ、その文章、物語の内容が分かりやすく、子供が読んでも面白い物語だと言えるのです。
この作品の面白さの一つに、主人公の女用心棒バルサが児童文学であるにも拘らず「三十歳の女用心棒」という設定であることにもあるかもしれません。
作者によれば、編集の担当者には怒られたけれども「短い槍を担いだ三十代のオバサンが、小さな男の子の手をひいて逃亡している姿が浮かんできた」のだから仕方が無いのだそうです。
このシリーズは「守り人」とという言葉と、もう一つ「旅人」という言葉がつけられた書名とに分かれます。
バルサが主人公の作品は「守り人」がつき、皇子チャグムが主人公の作品には「旅人」がつけられているのです。
全26話としてアニメ化され2007年にNHK-BS2で放送されました。
更に、2016年の春から3年かけて全22回の4Kでの実写ドラマとして、綾瀬はるかの主演で放映されました。
同様のNHKドラマのシリーズ作品である『坂の上の雲』の出来栄えがとてもよかったことを考えると、同様に力の入ったシリーズのようで期待していました。
しかし、残念ながら日本人の役者さんたちが演じるカタカナの名の登場人物やファンタジーの世界は今一つリアリティに欠け、綾瀬はるかのアクション意外に見るべきものはあまりありませんでした。
著者は立教大学で文化人類学を学び博士号を取得している学者さんで、その代表作である「守り人シリーズ」は中央アジアの民俗の見聞の影響が大きいと述べているそうです。
幼い頃から膨大な量の本を読んでおられ、そのジャンルもSF、ファンタジー、時代小説から学術書まで実に多岐に及んでいます。だからと言ってインドア派かと思えばそうでもなく、小学生の時は相撲が好きだったとか、高校生の時はパワーリストを着けて学校に行っていたとか、同じく高校生の頃には英国研修旅行21日間という企画で英国に行き、私はその名前も知らないのですが、実際に「グリーン・ノウの子どもたち」を著したL・M・ボストン夫人という人に会いに行ったりもしておられるなどと実に意外なエピソードも語っておられます。
その作品は二つのシリーズしか知りませんが、共に異世界ファンタジーで、構成がしっかりとした作品で、大人にとっても面白さは勿論、読みごたえも十分にある作品です。両作品ともにアニメ化されています。
「月の森に、カミよ眠れ」で 日本児童文学者協会新人賞、「精霊の守り人」で第34回野間児童文芸新人賞と第44回産経児童出版文化賞ニッポン放送賞、「闇の守り人」で第40回日本児童文学者協会賞、「守り人シリーズ」で第25回巌谷小波文芸賞、神の守人 来訪編、帰還編」で第52回小学館児童出版文化賞、「狐笛のかなた」で第42回野間児童文芸賞を受賞し、第51回産経児童出版文化賞の推薦作品となっています。
そもそも「魔獣狩り(淫楽編)」という一巻目のタイトルからも分かるように、エロスとバイオレンス満載の作品です。
「サイコダイバー」とは、人間の精神にもぐり、その隠された秘密を探り出すことを仕事とする、特殊能力者を主人公とした伝奇小説です。
最初は三部作で終わる筈だったものが、結局は全二十五巻の一大ストーリーを展開しています。
最初は九門鳳介と文成仙吉との物語の色合いが濃かったのですが、そのうち敵役の「美空」に焦点が当たり始め、「毒島獣太」という新たなサイコダイバーが登場し、「猿翁」や「黒御所」といった敵役まで登場します。
最終的には高野山から盗み出された空海の即身仏も絡む、壮大な伝奇小説として人気を博したシリーズです。
この本にはそれまで「キマイラシリーズ」や「闇狩り師シリーズ」、「獅子の門シリーズ」等々で使われたアイデアの全てが入っているのではないでしょうか。人の精神の中に潜る、という発想が面白く、また、舞台設定も格闘小説やSFと言っても良い独特の世界で一気に引き込まれました。
理屈抜きで、単純に物語世界に浸れば、時間はすぐに経ってしまう、そんな作品です。
ただ、エロ、グロ、暴力描写等々が続きますので、そうした描写が苦手な人は避けた方が良いかと思われます。
ちなみに、本シリーズは祥伝社文庫のKindle版の魔獣狩り(全十二巻)合冊版と、祥伝社文庫での新・魔獣狩り全十三巻のセット版ともでています。
サイコダイバー・シリーズシリーズ(完結)