首都消失 [DVD]

小松左京の原作小説を映画化したSFパニック。ある日突然、首都・東京上空に巨大な雲が発生。電機会社の技術開発者・朝倉はTVリポーター・まり子らと共に謎の雲の正体究明に乗り出す。“買っ得!キャンペーン第5弾”。(「キネマ旬報社」データベースより)

未見です。

首都消失

首都圏に大異変発生! 都心を中心に、半径三十キロ、高さ千メートルにもなる正体不明の巨大な”雲”が突如発生、通信・電波・交通などあらゆる連絡手段が途絶されてしまったというのだ。中に閉じこめられた人々は無事なのか? そして政府はどうなってしまったのか? 国家中枢を完全に失ってしまった日本の混迷を描く、日本SF大賞受賞のパニック巨篇。(全二冊)(「内容紹介」より)

 

「日本沈没」同様、危機に直面した日本人の行動が描かれている、日本SF大賞を受賞した長編のSF小説です。

 

東京を中心として30km半径が「雲」に閉じ込められてしまい、外部との連絡が絶たれてしまいます。そのとき外部に残された者はどう動くのか。

そんなことは後で解説などに書いてあったことで、ただパニック小説としてとても面白かった記憶があります。

 

本書同様に、一定区域が遮断された状況を描いた作品として、ホラーの王様のスティーブン・キングの小説で「アンダー・ザ・ドーム」(文春文庫 全四冊)という、一定範囲内の空間が未知の物体に閉じ込められるという小説があります。

ただ、かつてのキングの小説とは少し雰囲気が変わり、超自然的な存在を前提になんとも言えない不気味さが醸し出されていた作品とは印象が違っていました。それでもなおキングの物語であり、一気に読み通したものです。

 

 

ドーム内外の人間模様がキングらしいタッチで描かれていましたが、同様の設定が(「物体O」という作品と合わせて)数十年前に小松左京によって描かれていたのです。まあ、設定として外界との交通の遮断という一点だけが同じというだけで、さすがに中身はまったく違いますが。

 

日本沈没 TV版

リメイク版の公開を控える小松左京のスペクタクル巨編『日本沈没』の74年に製作された特撮TVシリーズのBOX。田所博士役の小林桂樹をはじめ、豪華キャストが共演。日本沈没に至る前兆現象が、当時の特撮技術の粋を集めた映像で描かれる。全26話を収録。(「キネマ旬報社」データベースより)

 

1974年10月からTBS系列で全26回にわたり放映されたもの。

 

劇場版の大ヒットを受けて、1974年10月から翌年3月までオンエアされた、小松左京原作のTVシリーズ全26話。連続ドラマの形態をとることで、映画では描き得なかった、日本各地の被災状況や人間描写などをドラマに活かすことが出来、そうした意味では森谷司郎監督の劇場版とは、補完関係の位置にあるシリーズと言えよう。
これまでLD-BOX、DVD(単品)とリリースを重ねてきた本シリーズだが、第一級のスタッフ・キャストが参加したドラマもさることながら、パッケージ・メディアならではのお楽しみも盛りだくさん。その代表的なものが、M-1.0に収録された福田純監督と、樋口真嗣監督(当時:特技監督)、庵野秀明監督との対談オーディオ・コメンタリーである。さながら師匠と不肖の弟子の対話のようなこのコメンタリー。福田監督が演出した第1話が終了しても話は終わらず。第2話の途中まで特撮関係の裏話などが続いて、たいそう興味深い。この録音が行われたのは1996年だが、その10年後に樋口氏は「日本沈没」リメイク版を監督。福田監督は亡くなられたが、今日の樋口監督がこのシリーズを見てどのような感想を抱くだろうか。2006年版のコメンタリーと共に、一部ローカルでのみオンエアされた「日本沈没・総集編」も収録して欲しかった。(斉藤守彦)(Amazonレビュー)

日本沈没 2006年版 [ DVD ]

73年に公開された小松左京原作『日本沈没』を『ローレライ』の樋口真嗣監督が草●剛、柴咲コウ主演でリメイク。最新のVFXと特撮技術を駆使し“日本沈没”という未曾有の災害と、祖国の危機に直面する人々の姿を描く。(「キネマ旬報社」データベースより)

 

1973年制作に制作された『日本沈没』を草薙剛主演で2006年にリメイクしたものです。

 

結構ヒットしたと思いますが、どうしてそのような評価になるのか、特撮にしても、物語そのものにしても決して良い出来とは言えないと思いました。

日本沈没 [ DVD ]

小松左京原作、森谷司郎監督によるパニック超大作。海底火山の権威・田所博士らと共に日本海溝に潜った深海潜水艇の操艇者・小野寺俊夫は、そこで異様な海底異変を発見する。藤岡弘、小林桂樹ら豪華俳優陣が共演。“東宝DVD名作セレクション”。(「キネマ旬報社」データベースより)

 

1973年制作で、当時は大ヒットとなりました。

その頃の特撮としてはかなり良くできていたのではないでしょうか。

日本沈没 さいとうたかを版

日本列島で群発する地震。その地震に誘発されて火山が噴火。次々に起きる天変地異に…小松左京のベストセラーをコミック化。(「内容紹介」より)

 

さいとうたかを版は、講談社のKCデラックス版が一番新しいようですが、他にも講談社文庫版や、リイド社の各種版などがあるようです。

日本沈没 一色 登希彦 版

11月の東京・新宿。潜水艇操縦士の小野寺俊夫は立ち寄った飲み屋で「ビルが突然地中に飲みこまれる」という不可解な事件に遭遇する。偶然居合わせたレスキュー隊員の機転で窮地を脱したかに思われたが、それは日本に起こる災厄の序章にすぎなかった…(「内容紹介」より)

 

2006年から2008年まで「ビッグコミックスピリッツ」で連載された作品だそうです。

上記AmazonへのイメージリンクはKindle版です。楽天は電子書籍はありません。

 

未読です。

日本沈没

伊豆・鳥島の東北東で一夜にして小島が海中に没した。現場調査に急行した深海潜水艇の操艇者・小野寺俊夫は、地球物理学の権威・田所博士とともに日本海溝の底で起きている深刻な異変に気づく。折から日本各地で大地震や火山の噴火が続発。日本列島に驚くべき事態が起こりつつあるという田所博士の重大な警告を受け、政府も極秘プロジェクトをスタートさせる。小野寺も姿を隠して、計画に参加するが、関東地方を未曾有の大地震が襲い、東京は壊滅状態となってしまう。全国民必読。二十一世紀にも読み継がれる400万部を記録したベストセラー小説。(上巻 :「BOOK」データベースより)

とにかくその日が来る前に。政府は日本人全員を海外へ移住させるべく、極秘裏に世界各国との交渉に入った。田所博士は週刊誌で「日本列島は沈没する」と発言して、物議をかもしていた。小野寺は極秘プロジェクトからはずれて、恋人・玲子とともにスイスに旅立とうとするが、運悪く玲子は、ついに始まった富士山の大噴火に巻き込まれ行方不明となってしまう。そして、日本沈没のその日は予想外に早くやってきた。死にゆく竜のように日本列島は最後の叫びをあげていた。日本人は最悪の危機の中で、生き残ることができるのか。未来をも予見していた問題作。(下巻 :「BOOK」データベースより)

 

文字通り日本が沈没してしまう様子を壮大なスケールで描く長編のSF小説です。

 

小松左京と言えばまずは「日本沈没」を挙げるべきなのでしょう。

この本はいわゆる宇宙を舞台にしたり、タイムトラベルをするといったいかにも現実とかけ離れたSFとは異なり、社会的な問題提起を含む日常の延長上にある物語として、SF嫌いの人にも受け入れられる物語です。

 

1973年と2006年の二度にわたり映画化もされ社会現象を引き起こしました。その発想はすごいです。でも、SFとかそうではないとか、分類はどうでもいいのです。単純に物語としてとても面白く読むことができます。

 

 

日本が沈む、そのメカニズムよりも、日本列島という基盤を失った日本人はその後どう生きていくのか、が書きたかったらしいのですが、生前には書かれることはありませんでした。

先年続編が出版されましたが私は未読です。

また、映画もリメイクされそこそこヒットしたと思います。見ましたが、ヒットした理由は分かりませんでした。

果しなき流れの果に

N大学理論物理研究所助手の野々村は、ある日、研究所の大泉教授とその友人・番匠谷教授から一つの砂時計を見せられる。それは永遠に砂の落ち続ける砂時計だった!白堊紀の地層から出土されたというその砂時計の謎を解明すべく発掘現場へと向かう一行だったが、彼らは知る由もなかった―その背後で十億年もの時空を超えた壮大な戦いが展開されていようとは。「宇宙」とは、「時の流れ」とは何かを問うSFの傑作。(「BOOK」データベースより)

 

日本SFの傑作作品と断言できる、長編SF小説です。

 

一言でこの「果しなき流れの果に」という本の内容を言えば、十億年という時の流れの中で人類の存在そのものを考察していく、と意味不明なまとめになってしまいますが、そのスケールの大きさ、着想力の凄さで日本SF界のベストだと思っています。

実際、ちょっと前のSF好きの人なら知らない人はいない小説と言っても過言ではないでしょう。いや、この本なら今の若い人たちでもSFが好きという以上は知っていて当然かもしれません。

たとえSF好きではなくても、絵空事の話は受け付けないという人を除いて絶対お勧めです。

 

海外には映画「2001年宇宙の旅」の原作者であるアーサー・C・クラークの「都市と星」「幼年期の終わり」という名作がありますが、この「果しなき流れの果に」と光瀬龍の「百億の昼と千億の夜」はそれに勝るとも劣らないと思います。

 

 

小松 左京

言わずと知れた日本SF界の巨匠です。

その活動の分野は多岐にわたり、時間や空間を越えた壮大ななSFを書く一方で、「日本沈没」や「首都消失」のような日常生活の延長線上にある小説も著しています。また、日本万国博覧会にもかかわりをもったりもして、単にSF作家という肩書では括れない多才な人です。

この小松左京という人の作品は妙な癖も無く、SFの入門書としてもいいのではないでしょうか。「復活の日」などは、そのSF的な舞台設定を除けば冒険小説としても十分な面白さを持っています。

 そもそもSFというジャンル自体が特別なものではなく、単にその舞台設定が非日常というだけのことであり、それは作者の思惑、主張を表現するのに一番適した舞台設定として選ばれただけ、と言っても良いのではないでしょうか。

この人は長編だけではなく短編も大量の作品を残していて、どれ、と選ぶのはこれまた非常に難しい作家の一人です。加えて、何しろ読んだのが殆ど40年以上も前の私が高校生の頃のことで、その印象や内容を覚えていないこともあります。ですから、下記の作品は今でも題名と内容をある程度覚えている作品に限られてしまいます。