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西條 奈加 雑感

1964(昭和39)年北海道生れ。都内英語専門学校卒業。2005(平成17)年、『金春屋ゴメス』で「日本ファンタジーノベル大賞」大賞を受賞。2012年『涅槃の雪』で中山義秀文学賞、2015年『まるまるの毬』で吉川英治文学新人賞を受賞。著書に『金春屋ゴメス 異人村阿片奇譚』『善人長屋』『千両かざり 女細工師お凜』『閻魔の世直し 善人長屋』『大川契り 善人長屋』『上野池之端 鱗や繁盛記』『せき越えぬ』などがある。
引用元:西條奈加 | 著者プロフィール | 新潮社

 

当初はファンタジーの要素の入っていた時代小説だったのですが、後には一般の時代小説を書かれています。

当初『金春屋ゴメス』『善人長屋』などを読んだ際には、個人的には今一つ波長が合っていないという印象でした。

 

 

しかし、一般的には悪という印象の鳥居耀蔵という人物を主人公の同心から見た人間鳥居耀蔵を描いた『涅槃の雪』あたりから印象が変わってきました。

 

 

そして今般『心淋し川』という作品で第164回直木賞を受賞されるにいたりました。

江戸千駄木にある「心町」に住む人々の生活を描き出したこの短編集は、全五編の短編から編まれていますが、個別の話も見事ですが、最終話を含めた構成が見事で、直木賞の受賞も納得の素晴らしい出来だと思いました。

 

[投稿日] 2015年12月22日  [最終更新日] 2021年2月14日
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