半村 良 雑感
半村良の作品は「およね平吉時穴道行」というSF短編集に始まり、ほぼ全部を読破していると思います。
その作品ジャンルは多岐にわたり、一つに絞ることはできません。でも少々乱暴に分ければ「産霊山秘録(むすびのやまひろく)」を始めとする伝奇小説の分野と、直木賞を受賞した「雨やどり」等の現代の人情ものとに大別できるのではないでしょうか。
不確かな記憶で申し訳ないのだけれど、「物語を紡ぐ作家でありたい」という趣旨のことを本のあとがきだったかどこかで半村良本人が語っていた記憶があります。また、これまた曖昧なのですが、影響を受けた本として国枝史郎の「神州纐纈城」(しんしゅうこうけつじょう)を挙げていた記憶があり、そのような物語を書きたいと思っていたそうです。
とにかく半村良という人は面白い物語の語り手として、確かにその仕事を果たしていると言えるのではないでしょうか。本当に残念なのですが2002年に68歳で亡くなられました。伝奇小説が好きな人はぜひ読んでみてください。
[投稿日] 2015年04月17日 [最終更新日] 2015年5月21日