彩瀬 まる 雑感
『彩瀬まる』のプロフィール
1986年千葉県生れ。上智大学文学部卒。小売会社勤務を経て、2010年「花に眩む」で「女による女のためのR-18文学賞」読者賞を受賞しデビュー。著書に『あのひとは蜘蛛を潰せない』『やがて海へと届く』『朝が来るまでそばにいる』『くちなし』『森があふれる』『まだ温かい鍋を抱いておやすみ』など。五感を刺激する柔らかでうつくしい文章と、どんな境遇の人にも寄り添う平らかな視点から紡がれる物語で読者を魅了。他に東日本大震災の被災記『暗い夜、星を数えて―3・11被災鉄道からの脱出―』がある。引用元:彩瀬まる | 著者プロフィール | 新潮社
『彩瀬まる』について
彩瀬まるという作家さんは、『くちなし』という作品で第158回直木賞候補になっています。
この作品は七編からなる異世界を舞台にしたSF的な短編集で、様々な愛の形を描き出した、全体的に淡く官能の香りが漂う作品集です。
そしてまた『新しい星』で第166回直木賞の候補になっています。
この作品もまた短編集ですが、『くちなし』とは異なり、非常につながりの強い連作集で、四人の男女の再生の姿を描いたSF的ではない、普通の短編集です。
共に直木賞を受賞することは叶いませんでしたが、読みやすく、心に沁みる作品であり、一般の評価もかなり高い作品です。
個人的な好みとは微妙に異なりますが、ハードなエンタメ作品ばかり読んでいる身には、たまにはこうした作品も読むべきではないかと思わせられる作家さんです。
[投稿日] 2018年02月11日 [最終更新日] 2022年2月12日