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朝井 まかて 雑感

まだ読んだ作品数が少ないのであまり書くこともありません。

ただ、読んだ3冊の範囲で書くと、特に最初に読んだ本が「恋歌(れんか)」という水戸天狗党を扱いながら、歌人中島歌子を主人公とする物語であったためでしょうか、文章が格調の高いものでした。主人公の心象を表現する言葉の選択が上手い人だと読みながらに思ったものです。

しかし、次に読んだ「先生のお庭番」でも自然の描写が美しく、またシーボルトが自分の故郷に馳せる思いを主人公に語る場面など淡々としていながら想いが言葉に乗っていて忘れられません。とすれば、この作家の文章そのものが品のある文章だと思ってよさそうです。

文章が美しい作家は何人か思い浮かびますが、この作家もその一人になることでしょう。

2014年1月16日第150回直木賞の発表があり、朝井まかて氏の「恋歌(れんか)」が受賞されました。姫野カオルコ氏の「昭和の犬」との同時受賞です。自分が読んで感銘を受けた本が受賞するというのは読者にとっても嬉しいものですね。

[投稿日] 2014年12月29日  [最終更新日] 2015年7月6日
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