警視庁鑑識課に勤める原麻希は、奈良での失態を受けての謹慎中に、友人の離婚式で原田という刑事から相談を持ちかけられる。とあるアパートの一室で見つかった女性の自殺体が、他殺ではないかと言うのだ。現場に残っていたゲソ痕から、麻希は恵比寿の女子高へとたどり着く。そしてそこで、第二の事件と遭遇するが―。ついに宿敵リクルーターの素性が明らかになる!?映像化もされた人気シリーズ第3弾。 (「BOOK」データベースより)
前作『スワン』での事件により謹慎処分を受け、三ヶ月目になる原麻希です。その謹慎中に、原田という刑事から、とある事件の女性自殺体が他殺と思われるので確認して欲しいとの相談をうけるのでした。翌日、早速に現場に残された足跡の写真を見た麻希は、事件の日から今日までの都内の中・高校で体育祭か文化祭をやっているところを探せばいいとあたりをつけ、その条件に合致する私立あけぼの女学館高等学校を捜し出します。
ところが、そこでは新たな事件が起き、そこにリクルーターが関係しているらしい痕跡を見出すのでした。
今回の麻希は家庭内での娘や夫についての悩みを持ちつつも、リクルーターが関係している可能性があるところから、謹慎中でありながらも結局は現場の仕事に借り出されてしまう姿が描かれています。
また、麻希の上司として、伊達警視正という何とも人物像がつかめない男が登場し、麻希の行動におきな影響をえたえます。また多分今後のストーリー上も大きな位置を占めるのではないかと思われるのですが、今のところ何も分かりません。
本書の物語は、麻希も娘である菜月との気持ちのすれ違いや、物語の舞台となる高校生との比較など、親子の関係についても絡ませながら、友人の仁木愛香、倉本織江、そして麻希の元許婚で公安二課の広田達也らと共にリクルーターを追いかけている姿も描かれ、相変わらずにテンポよく進みます。