山本 一力

イラスト1
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安房勝山の菜種農家の末娘・二三は、五歳にして江戸深川の油問屋に養女として貰い受けられる。生家の母親譲りのてんぷらの腕、持ち前の気丈さで、江戸の町に馴染んでゆく。やがて、大店の跡取りとして逞しく成長した二三を、新たな苦難が見舞う。いくつもの悲しみを乗り越えた先に、二三が見たものとは―。涙の後に爽快な、人情時代小説。(「BOOK」データベースより)

 

油問屋の養女となった一人の女の生涯を描く、長編の人情時代小説です。

 

本書の職業は油問屋です。

千葉の菜種農家生まれの主人公が深川の油問屋の養女になり、数々の障害を乗り越え生きていく姿が心を打ちます。特に、これでもかという困難が襲いかかるくだりは圧巻です。

 

この作者は漢(おとこ)の描写がうまいと思っていたのですが、「ほうき星」の“さち”同様、強さを持った女性を描かせてもさすがにうまいものだと納得させられました。

ストーリー展開の面白さは言うまでも無く、読後感も爽やかな感動をもたらしてくれます。お勧めです。

[投稿日]2015年04月21日  [最終更新日]2018年12月1日
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