鳥羽 亮

剣客春秋シリーズ

イラスト1
Pocket

写真は Amazon にリンクしています。

楽天Booksは 面影に立つ 剣客春秋親子草 (幻冬舎時代小説文庫) [ 鳥羽亮 ] へ。


島中藩の藩内抗争は若君の剣術指南役が千坂道場に決しても収まる気配がなかった。道場に通う二人の藩士が何者かに惨殺されるに至り事態は泥沼化する。折も折、彦四郎は梟組という謎の集団が敵方に加わり、里美や花も標的にされていることを知る。敵方の真の狙いとは何か?仁義なき戦いの行方は?人気時代小説シリーズ、血湧き肉躍る第三弾! (「BOOK」データベースより)

剣客春秋親子草シリーズの第三弾です。

 

前巻で島中藩の鬼斎流との争いの末に、島中藩の若君の指南役となり、里美は花と共に若君の稽古をつけ、彦四郎は島中藩藩士の稽古をつける毎日です。

ところが、千坂道場の門弟である島中藩の藩士二人が斬殺されてしまう事件が起きます。この事件は、島中藩の内部の者の仕業らしいと聞かされます。というのも、鬼斎流一門のある人物の一派に不穏な動きがあり、また国元から鬼斎流の遣い手二人の出府や、島中藩目付筋の「梟組」も江戸に入ったらしいというのです。

 

本書においても前巻同様に島中藩の剣術指南役をめぐる闘争はいまだ続いています。

千坂道場の門弟の命も失われており、このままにしておくことはできません。やはり弥八や佐太郎らの力を借り、敵対相手を探り、こちらから仕掛けることになるのです。

結局本書においてもこれまでと同じような物語の流れに終始することになりました。弥八、佐太郎の助けを得ることは勿論、当然ながら藤兵衛も参加し、皆で斬り込みをかけ相手を排除するという流れ自体も変わりません。

このシリーズは鳥羽亮という作者の作品の中でもかなり好みの作品であっただけに、同じような物語の流れが続くとやはり残念に思ってしまいます。

それは一つには、同時並行的に読み進めている 池波 正太郎の『剣客商売』という名作の飄々とした底の見えない作風と比べてしまうということがあるのかもしれません。しかし、それにしても、鳥羽亮という作家の良さが今一つ見えてこないと感じられるのです。

鳥羽亮という作家の作品としては物足りない、というのが正直なところです。

もう少し千坂道場の物語としての展開を期待したいものです。

[投稿日]2018年05月01日  [最終更新日]2018年5月1日
Pocket

おすすめの小説

おすすめの痛快時代小説

風の市兵衛シリーズ ( 辻堂 魁 )
主人公が「渡り用人」というユニークな設定で、痛快と言うにふさわしい、とても読み易いシリーズです。
軍鶏侍シリーズ ( 野口 卓 )
デビュー作の軍鶏侍は、藤沢周平作品を思わせる作風で、非常に読みやすく、当初から高い評価を受けています。
酔いどれ小籐次シリーズ ( 佐伯泰英 )
風采の上がらない身の丈五尺一寸の五十男の、しかしながら来島水軍流遣い手である赤目小籐次が、旧主の恥をそそぐために、単身で大名四藩に喧嘩を売る、爽快感満載の痛快活劇時代小説です。
用心棒日月抄 ( 藤沢周平 )
青江又八郎は藩の政争に巻き込まれ、脱藩せざるを得なくなり、江戸へと逃亡する。用心棒稼業で暮らしながらも追手との戦いも待ち受けるのだった。
八丁堀剣客同心 ( 鳥羽 亮 )
八丁堀の鬼と恐れられる隠密廻り同心・長月隼人が活躍する、ミステリー色の強い、痛快活劇小説です。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です