高野 和明

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文庫

文藝春秋

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重い本です。途中までもう読むのを止めようかと何度か思いました。

無実の死刑囚を救い出すために与えられた期限は三ヶ月、報酬は一千万円だった。不可能とも思える仕事を引き受けた二人の男に待ち受けていた運命とは―手に汗握る展開と、胸を打つ驚愕の結末。現代社会の罪と罰を問い、圧倒的なサスペンスで読書界を震撼させた江戸川乱歩賞受賞作。『十年ぶりの後書き』収録。(「BOOK」データベースより)

過失殺人で服役した少年と刑務官が、冤罪の恐れのある死刑囚の無実を証明しようと走り回る話です。

この本の中に出てくるように、刑罰そのものについての2つの大きな考え方として教育刑主義と応報刑主義の対立があります。結論は簡単に出るものではありませんが、現代の通説と言われる応報刑主義に何となく、そういうものかもしれないという感じを持ったことがあります。

本書では、中ほどで回想シーンの多用などで死刑制度そのものの問題点等を読者に真正面から提起します。本筋の物語は全然進まずに、これでもかと死刑制度について問いかけてくるのです。これが少々重かった。

横山秀夫の「半落ち」でも、問いかけるテーマは重く、決して明るい本ではありませんでしたが、それなりに物語として感情移入して読めました。でも、本書は何故か物語世界に入っていけないのです。体調次第では読むのを止めてしまったかもしれません。

終盤、物語は急展開を見せ、物語世界に引き込まれました。今は最後まで読んでまあ良かったとは思っています。やはり選考委員の満場一致で第四十七回江戸川乱歩賞を受賞した作品だなと思っているのです。

まあ、お勧めではあるのですが、それなりの覚悟がいるかもしれません。

[投稿日]2015年04月13日  [最終更新日]2015年4月13日
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