大江戸やっちゃ場伝シリーズ(2018年10月14日現在)
- 大地
- 胸突き坂
主人公が武士ではなく一小作人という設定はこの作者では初めてではないでしょうか。
この小作人が一念発起し、江戸のやっちゃ場(青物市場)を目指すことになるのでしょう。まだ、二巻しか出ていないので今後の展開は不明ですが、タイトルがそうなので・・・。
他のシリーズと異なり、あの独特の登場人物の内心を示す独白文は影を潜めていますが、テンポの良さはそのままです。
金も力も無い一青年がのし上がっていく物語といえば、獅子文六の小説「大番」があります。「大番」では主人公が相場の世界でのし上がっていく立身出世の物語でした。本シリーズがどのような展開になるのか分かりませんが、その「大番」をも超える物語になってもらいたいものです。そうした期待を込めてお勧めです。