子母澤 寛

イラスト1
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文庫

講談社

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勝海舟(麟太郎)の父の勝小吉の物語です。とにかくこの小吉という男が魅力的です。あの勝海舟の親父というから更に興味を惹かれます。実際の勝小吉は男谷家の三男として生まれたのですが、勝家に養子に出され勝姓を名乗るようになったそうです。

一言で言えば、幕末の本所を舞台にしたピカレスクロマンです。実際相当なワルだったようで、小吉の本家である男谷家の男谷信友は剣聖と言われた剣豪ですが、喧嘩となると小吉にはかなわなかったなど、数々のエピソードがあります。

本人の著書「夢酔独言」が遺されており、また勝海舟の著書「氷川清話」に記されたエピソードなどを元にして本書が描かれたそうなので、本書記載の挿話は脚色はあるにしても事実に近いものなのでしょう。

とにかく戦後の痛快時代小説の原点とも言うべき一冊です。

蛇足ですが私の若い頃に八代目松本幸四郎(松本白鸚、現九代目松本幸四郎の父)が勝小吉を演じたテレビドラマがあったのですが、そこに描かれていた小吉が実に魅力的だったのをいまだに覚えています。その後、子母沢寛のこの作品を読んだのですが、原作の小吉もそのイメージになってしまっているのです。ちなみに、この松本白鸚は鬼平犯科帳の長谷川平蔵も演じていてはまり役でした。今の二代目中村吉右衛門の長谷川平蔵も素晴らしいですが、やはり親子ですね。よく似ています。

なお写真は新装版講談社文庫版にリンクしていますが、他に新潮社文庫版、嶋中文庫版もあります。ただ、殆ど古本になるようです。

[投稿日]2015年04月04日  [最終更新日]2015年4月4日
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