今野 敏

イラスト1
Pocket

新刊書

実業之日本社

写真は Amazon にリンクしています。

楽天Booksは マル暴甘糟 [ 今野敏 ] へ。


北綾瀬署刑事組織犯罪対策課・組織犯罪対策係に勤務する巡査部長甘糟達夫が当番の日、北綾瀬署管内で殺人事件が発生した。被害者が暴力団員であることから、甘糟や甘糟の先輩で相棒でもある郡原虎蔵も捜査本部に呼ばれることになった。しかし、警視庁捜査一課の刑事たちとの捜査にもかかわらず、事件はなかなか解決の様相を見せないのだった。

本書の主人公の甘糟達夫は、そもそも今野敏の任侠シリーズの新しいネタを探していて見つけたキャラだそうです。そういう意味でマル暴甘糟シリーズの持つユーモラスな雰囲気は、任侠シリーズからきていると言ってもいいのかもしれません。

今野敏という作家は、作品に登場するキャラクターの作り方がうまいと常に思っているのですが、本書のキャラクターもその例にもれません。警察であるにも関わらず、「粗暴」という言葉がピタリと当てはまる印象の組織犯罪対策課、通称「マル暴」ですが、本作品の主人公の甘糟は、童顔で気の弱い「マル暴」なのです。

このユニークな主人公に対して配されているのが警視庁捜査一課のエリート警部補梶伴彦です。この男が甘粕の先輩である郡原虎蔵と常に対立するため、甘糟はこの二人に振り回されることになります。これに対し、暴力団多嘉原連合の若頭唐津晃が、被害者をかわいがっていた兄貴分として、事件をかき回す役目を担わされていています。

今野敏には他に『逆風の街―横浜みなとみらい署暴力犯係』から始まる「横浜みなとみらい署」シリーズという「マル暴」の警官を主人公とした作品があります。同じ今野敏という作家の書いたこの二つの作品を読み比べてみるのも面白いでしょう。

[投稿日]2016年10月10日  [最終更新日]2016年10月10日
Pocket

おすすめの小説

おすすめの警察小説

推理小説の分野は佳品が多く絞ることが難しい分野ですね。その中でもわりと軽く、読みやすい作品を集めてみましたく。
制服捜査 ( 佐々木 譲 )
札幌で刑事として長年勤務していた川久保篤巡査部長が、十勝の田舎の駐在さんになり、さまざまな事件を解決する、かなり読み応えのある小説です。
教場 ( 長岡 弘樹 )
警察小説というには少々語弊があり、警察学校小説というべきなのかもしれませんが、ミステリー小説として、警察学校内部に対するトリビア的興味は勿論、貼られた伏線が回収されていく様も見事です。
尾根を渡る風 ( 笹本 稜平 )
『「山岳+警察」小説』というのが惹句にあった文句ですが、どちらかというと『春を背負って』に近い、ミステリーというよりは、人間ドラマメインの連作短編集です。
新参者 ( 東野 圭吾 )
卒業―雪月花殺人ゲームを最初とする「加賀恭一郎シリーズ」は、この作家の「ガリレオシリーズ」と並ぶ超人気シリーズです。
姫川玲子シリーズ ( 誉田 哲也 )
「姫川玲子シリーズ」の一作目であり、警視庁捜査一課殺人犯捜査係の姫川玲子を中心に、刑事たちの活躍が描かれます。若干猟奇的な描写が入りますが、スピーディーな展開は面白いです。
本

関連リンク

今野 敏『マル暴甘糟』刊行記念インタビュー - 実日ブックス
警察小説史上最弱(?)の刑事が主人公の、最新刊『マル暴甘糟』で新境地を開いた今野敏。 二〇一五年には還暦を迎え、いよいよ円熟味を増す氏が語る「面白い小説」の源泉とは――
面白さの秘密は人間味と意外性にあり―― 関口苑生
こんなタイプの刑事は今までにはなかった。読者は最初はハラハラして見守るよりなく、これで本当に大丈夫かと読んでいると、そこはやっぱり今野敏である。甘糟を中心に人も事態も回り始め、事件の謎がはらりはらりと解けていくのだ。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です